「子供歌舞伎教室」で日本の伝統文化【歌舞伎】を親子で体験してみよう!

歌川国貞 篭山逸藤太 八犬伝犬の草紙之内のイメージイラスト
みなさん歌舞伎を鑑賞したことはありますか?存在自体は知っているけれど、なかなか敷居が高い、行く機会がない、という方が多いのではないかと思います。東京都にある公益法人都民劇場は、演劇・歌舞伎・音楽を手頃な会費で鑑賞することができる組織であり、日本で最も古い歴史と伝統をもつ鑑賞団体です。その都民劇場で開催されている、子供歌舞伎教室は子どもたちだけでなく、お父さんお母さんも一緒に楽しめます。

歌舞伎の歴史とその魅力を紹介します

歌舞伎の人形
古くからの歴史をもつ、伝統芸能である歌舞伎は、現代社会で暮らす私たちにとっては少し、受け入れられにくいものですよね。昔より継承されてきた伝統をもつ歌舞伎には、長年生き残ってきた知恵と普遍性が見られます。

「歌舞伎」の意味とその由来の紹介

歌舞伎は能楽、狂言や文楽に並んで三大国劇の一つとされており、音楽劇やせりふ劇、舞踊劇を集大成させた庶民的な演劇のことです。歌舞伎とは、元々は「傾く(かぶく)」という単語の名詞形で、昔は目立つことをした人や異風異装の姿で戯れる行動をした人は「かぶき者」と呼ばれていました。つまり、現在の歌舞伎は当て字であり、「歌い」「舞い」「伎(伎芸・芸人)」のことを意味しています。

日本の伝統である、歌舞伎の歴史

歌舞伎の歴史は今から400年以上前にまでさかのぼり、1603年に、出雲阿国が舞い踊った「かぶき踊り」から始まったといわれています。その踊りは当時の流行歌、風俗や奇抜なファッションを組み合わせたものであり、大はやりしました。やがて遊女らが歌舞伎踊りを舞い踊って客を招くようになると、「風紀が乱れる」という理由から幕府は舞台に上がることを禁じました。やがて姫も老婦人も、男性が演じている「野郎歌舞伎」が誕生し、現在の歌舞伎に至ったようです。

日本の美意識の集大成といわれる歌舞伎の魅力

歌舞伎には独特の舞台装置が多くあり、演出にいろいろな効果を与えています。例えば客席の中を通過する花道は、観客と役者との距離を縮める役割を果たしています。また、歌舞伎では衣装や扮装(ふんそう)も特徴的であり、デフォルメされている衣装やかつらが使われているので役者を舞台で映えさせることができます。これにより、悪役やヒーロー役、娘役などを観客に視覚的なイメージを使って伝えることができるため、ストーリーだけでなく、役者の姿や衣装を見るだけでも十分楽しめます。また、歌舞伎はどんどん新しいことを取り入れて発展し続けています。最近だと、江戸川乱歩の作品を題材として作成された演目もあり、日本の古き良き伝統と現在の技術、アイデアが融合することで進化し続ける歌舞伎としても楽しめます。

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子供歌舞伎教室って一体どんなもの?

歌舞伎の顔の絵
子供歌舞伎教室とは、伝統歌舞伎保存会や公益法人都民劇場などが子どもたちを対象として、歌舞伎に触れ、身近に感じてもらうための鑑賞会を定期的に行っているものです。この鑑賞会は、歌舞伎の殿堂である「歌舞伎座」で本物同様の演目を鑑賞することができます。

都民劇場での子供歌舞伎教室の歴史

公益財団法人都民劇場と東京都が一緒に主催をしている「子供歌舞伎教室」は、子どもたちに日本の古代から伝わる伝統芸能である歌舞伎鑑賞会を開催し、日本の伝統文化に対しての理解を深め関心を高めることを目的としており、昭和27年から開催しています。それ以降、現在までも変わることなく年に1回開催されています。

子供歌舞伎教室は実際何をするの?

実際に歌舞伎の演目を鑑賞するのですが、この歌舞伎教室で演じているのは若手の歌舞伎役者です。多くの歌舞伎役者がまだ若手の時代に、歌舞伎座の本舞台では演じられないような大きい役どころを、子供歌舞伎教室において実験的に演じており、芸能界でも活躍している松本幸四郎、尾形菊之助、市川海老蔵なども幼少期にこの舞台に立った経験があります。

実際の申し込みはどうやってするの?

申し込み方法は個人で申し込む場合と学校から申し込む場合の2通りあり、個人で申し込みをする場合ははがき、もしくはインターネットより申し込むことができます。都内に住んでいる、または通学している小学生から高校生までの子どもとその同伴の保護者を対象としています。一般申し込みと学校申し込みの合計1600名を招待しており、無料で参加することができますが、申し込み多数の場合は抽選となるようです。

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