会社勤めをしている場合、病気やケガなどの急なトラブルで会社を休むことになったときに、健康保険から支給されるのが「傷病手当金」です。この傷病手当金は、妊娠中や産後のトラブルに関しても支払われますので、いざというときのために、ポイントを押さえておくことをおすすめします。今回は、傷病手当金の手続きや申請方法について見ていきましょう。
傷病手当金が作られた目的と受給の絶対条件
人間、生身の体ですから、いつケガをしたり病気になったりするか分かりません。特に産前産後の女性の体はとてもデリケート。つわりや、妊娠高血圧症など、トラブルが起こりやすい時期でもあります。万が一、急なトラブルで会社を休むことになった場合には、利用したい傷病手当。ここでは、傷病手当の目的や、受給条件などについて見ていきましょう。
傷病手当金の目的は「生活保障」
病気やケガなどの急なトラブルで入院や手術が必要になった場合、仕事ができなくなり、会社も休むようになってしまうことでしょう。結果として収入は減り医療費はかさむという、最悪の状況になることが予想できます。傷病手当は、急な健康トラブルで働けなくなったときに、生活の保障をすることを目的として作られた、困ったときのお役立ちの制度なのです。
傷病手当金を受けるための絶対条件
傷病手当金を受けるには条件があります。第一に傷病手当を受ける本人が、勤めている会社の健康保険に加入していること。これが最低限、必要な条件になっています。配偶者の扶養として保険に加入している場合や、国民健康保険に加入している場合は、支給対象外になりますので注意が必要です。あくまで「本人」が、健康保険に加入していることが絶対条件と考えてください。
勤務内の病気やケガには支給されません
傷病手当は、勤務中の病気やケガに関しては支給がされません。勤務中の病気やケガの場合は、労災保険が適用されますので、労災保険での申請になります。この労災保険には、通勤中の病気やケガも含まれますので、通勤中に気分が悪くなったときや、転んでケガをしてしまったときなどにも傷病手当金の支給対象外となります。あくまで、仕事を離れた、プライベートなときに起こった病気やケガが支給対象になるのです。
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傷病手当金を受給するために必要なこと
傷病手当を受給するためには、本人が勤めている会社の健康保険加入と勤務外のプライベートなときに受けたに病気やケガであることが条件としてあげられますが、このほかにもさまざまな受給に必要な条件がありますので、見ていきましょう。
傷病手当の需給判断基準は「同じ仕事ができるか否か」
本人が携わっていた仕事の内容を考慮したうえで、同じ仕事を続けること不可能であると医師が診断した場合、傷病手当の受給対象となります。判断基準は、「同じ仕事が続けられるか否か」にあり、たとえ入院することがなく自宅療養のみであっても、仕事が続行不可能だと判断されれば、傷病手当の受給対象になるということです。
「待機完成」しているかも傷病手当の支給条件
3日間連続して休むことを「待機完成」と言い、この期間は傷病手当金の支給対象にはなりません。つまり、4日目以降の休みに対してのみ、傷病手当は支給されることになります。これには3日連続で休むことが必須項目。2日間休んで3日目に仕事をした場合には、待機完成とはみなされず、傷病手当金は支給されません。なお、待機には有給休暇や土日祝祭日も含まれるので注意が必要です。
「給与の支払いがない」ことも傷病手当の支給条件
傷病手当金の支給目的は、仕事ができない間の「生活保障」にあります。このため、仕事を休んでいる間に給与が支払われた場合も、傷病手当金は支給されません。「給与の支払いがない」ことも傷病手当金の支給条件なのです。有給休暇を使っての給与支払いであっても、給与支払いとみなされますので注意しましょう。ただし、給与が支払われた場合でも、給与の額が少ないときは、差額が傷病手当金として振り込まれることになります。
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22歳17歳10歳三人の子持ちママ。恋愛小説や趣味で育児4コマ漫画を描いてます。
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