保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
ひとくちに幼稚園の入園試験といっても、そのねらいは園によってちがい、子どもの個性を知り入園後の生活に生かすために行われているものもあれば、選抜を目的とし面接やテストの結果次第で入園の可否が決まるものもあります。ここでは、後者、俗に「お受験」といわれる、幼稚園受験の主な試験内容と、「お受験」をして幼稚園に子どもを通わせるメリット・デメリットについてご紹介します。
幼稚園の入園試験とはどんなもの?
「入園試験」といわれても、2・3歳の幼い子どもに一体なにをするの?と疑問に思うかもしれません。幼稚園の入園試験で重視されるのは「親の考え方」と「子どもの行動」です。この年齢の子どもが基本的な生活習慣を身に付け、お友達とルールを守って遊ぶという一見当たり前にも思うことがきちんとできるようになるためには積極的に経験を積む必要があり、早い段階から受験対策を始める親も多くいます。
親の考え方と子の対話力を見る「面接試験」
幼稚園受験で最も重要視されるのはこの「面接」といってもいいでしょう。親のみの面接、親子面接、子どものみの面接があり、どのように行われるかは園によってさまざまです。子どもがしっかりと受け答えをできるかどうかももちろん大切ですが、親の教育方針や志望動機がその園と合っているかが選考の結果を左右する場合もあります。そのため、親自身もしっかりと面接対策をしておくことが必要です。
活動を通して子どもの様子を見る「行動観察」
面接と並び多く行われているのは、子どもを他の受験者と一緒に数人のグループにして遊ぶ様子を見たり、指示を出してどの程度理解できるかを見たりする「行動観察」と呼ばれるテストです。幼稚園によってどのような内容が行われているかにちがいはありますが、多くの場合、子どもたちだけを別室に連れて行き、親のいない場所での様子を観察します。
知能的発達を見るテストがある場合も
「お受験」といわれる幼稚園入試においては、知能的発達を見るテストが行われている場合もあります。形式は幼稚園によってちがいますが、内容は学力を見るテストというよりは、知能指数(IQ)テストのように知力を見るものの場合が多いようです。試験内容は幼稚園によって傾向がちがうので、受験する幼稚園に合わせた対策をする必要があります。
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幼稚園受験を突破して入園するメリットとは
少子化が進み子どもの数は減っているにもかかわらず、幼稚園を「お受験」する子どもの数は減ってはいません。それどころか、毎年定員を大幅に上回る受験者が集まる園もあるほどです。幼稚園受験をするとどのようなメリットがあるのでしょうか?
行き届いた環境での保育が受けられる
「お受験」が必要となる幼稚園の多くは、しっかりとした教育理念を持ってそれを実践する形での保育を行っています。のびのびと育てることを目的としている園もあれば、多くの教養が身に付くようにといろいろな専科指導を行っている園もあるなどその教育方針はさまざまですが、いわゆる「質の高い」保育が受けられる環境がそこにはあります。
付属幼稚園は系列の学校に内部進学できる
「付属幼稚園」と呼ばれる園では、系列の学校に内部進学できる場合があります。小学校、中学校入試に比べ比較的負担の少ない幼稚園受験を選択し入園することができれば、その後の受験戦争に巻き込まれることなく過ごすことができます。ただし、学校によって内部進学の条件は異なり狭き門ということもありますので、内部進学を希望する場合は事前に調べておく必要があります。
友達と刺激しあいながら小学校受験に向かえる
名門と呼ばれる幼稚園で系列の小学校を持たない場合は、その園児の多くが小学校受験をします。小学校受験を希望している場合周りが同じ境遇であれば、子どもも小学校入試に向けた準備に集中でき、保護者間では入試情報のやり取りを行えるメリットがあります。
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7歳の男の子と4歳の女の子の母です。試行錯誤の子育てですが、子ども達に成長させてもらっています。
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