「安産祈願といえば水天宮(すいてんぐう)」と聞いたことのある方は多いと思います。安産祈願はおなかの赤ちゃんにとって初めての人生儀礼ですので、せっかくならば安産祈願に特化した神社にお参りに行きたいものです。今回は安産祈願で有名な水天宮について、その歴史や、お参りの作法、初穂料や腹帯などについて説明していきます。
知っておきたい水天宮の歴史と神様
水天宮の総本宮は福岡県久留米市にあり、分社は全国に20以上もあります。安産祈願で一番有名な東京都中央区日本橋の水天宮は、平成28年に、安産祈願に訪れる妊婦にも配慮された設計の、木のぬくもりある新らしい社殿となりました。
水天宮の由来と、お祭りされている神様
水天宮は、平屋の「高倉平中宮(たかくらたいらのちゅうぐう)」に使えていた官女「按察使局伊勢(あぜちのつぼねいせ)」が、壇ノ浦の戦いで崩御した「安徳天皇(あんとくてんのう)」と平屋一門の霊を弔うため、創建したといわれています。ご祭神は「天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」「安徳天皇」「高倉平中宮」「2位の尼(にいのあま)」の4柱が祭られています。
福岡県の総本宮と、東京都の分社
1190年に鷺野ヶ原に創建された水天宮は、戦を避けるために所在を転々としていましたが、1650年に第2代藩主「有馬忠頼」が土地と社殿を寄進し、現在の福岡県久留米市が水天宮総本宮の所在となりました。その後、第9代藩主「有馬頼徳」が、参勤交代の折でも水天宮へのお参りができるようにと、江戸三田の藩邸に分社を創建したものが、東京都の水天宮のはじまりです。
なぜ水天宮が安産祈願で有名なのか
水天宮の神様はもともと「水天」でしたが、神仏習合時代に「天之水分神・国之水分神(あめのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)」となりました。この発音が「みこもり(お子守)」に聞こえることから、「水天」が安産・子育て・子守の神様として信仰されたようです。のちに神仏分離となり、「天之水分神・国之水分神」は日本神話における最高神の「天御中主神」に置き換えられました。
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水天宮で安産祈願をするときの流れと作法
ここでは、安産祈願で知名度の高い、東京都中央区日本橋の水天宮でのお参りについて詳しく説明していきます。神社は神様がお祭りされている場所ですので、お願い事をする際には粗相がないよう、正しい作法で参拝しましょう。
安産祈願にはいつ行けばよいのか?
安産祈願に行く日取りは、「妊娠5カ月目の戌(いぬ)の日」といわれています。しかし、水天宮の戌の日の安産祈願はとても込み合います。しきたりにこだわらないのであれば、妊婦の体調や家族の休みに合わせて、都合のよい日取りでも問題はありません。
混雑情報
戌の日・大安・日曜日が重なったスーパー戌の日は大変混雑します。場合によっては受付まで1時間以上待つことも。妊婦さんは具合が悪くならないように気を付けてくださいね。混雑状況を水天宮に電話で問い合わせすることはできません。混雑状況を知りたいときは水天宮のツイッターで当日の混雑状況などがアップされているので、過去の投稿をみて参考にしてみてください。
また参拝だけではなく、子宝いぬとの写真撮影などでも順番待ちの列が発生しています。こちらも戌の日は大変混雑します。
水天宮の正しいお参りの作法
神社にお参りするには作法があります。まず神社の鳥居をくぐる前に静止し、一礼してから境内へ入ります。境内に入ったら必ずちょうず舎で手を洗い、口をすすぎましょう。参道を歩くときは、神様が通るとされている道の中心を避け、脇を歩くようにしてください。拝殿でお参りする際は、鈴を鳴らしてからおさい銭入れ、二拝二拍手一拝(お辞儀2回、拍手2回、お辞儀1回)でお参りします。
水天宮(日本橋)での安産祈願の流れ
日本橋の水天宮における安産祈願の流れを説明します。まずはじめに、境内にあるちょうず舎で手や口を清めてから受付で申し込みをし、「お初穂料」を納め、授与品と名前札を受け取ります。待合室で順番を待ち、名前を呼ばれたら社殿へと進み、祈願を受けます。ちなみに、込み合う場合は、昇殿参拝ができるのは、妊婦本人(または代理の者)1名のみとなっています。
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社交的な我が子に困惑する引きこもり主婦。トイレでの愛読書はナンシー関さん。
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