テレワーク転勤を導入している企業
最後に、テレワーク転勤を導入している企業がどのような取り組みを行っているのかをご紹介します。テレワーク転勤は、これから先さらに導入を検討する企業が多くなってくることでしょう。そうした中でいち早くテレワーク転勤を取り入れ、効率的に業務をまわしている企業をチェックしてみてください。(2021年5月現在)
テレワーク転勤を導入している「楓工務店」
1つ目の企業は、奈良市内の建設会社「楓工務店」です。こちらの企業では、夫の転勤についていくために、仕事を辞めようか悩んでいた2人の女性が、テレワーク転勤の導入によって現在も以前と変わらない働き方を実践しています。2人の女性は、普段はテレワーク中心で働き、1~2カ月に1回程度本店に出向いて、建設図面のチェックなどを行っています。2007年に設立した楓工務店は、約80人の社員を抱えている企業で、育ってくれた社員を貴重な人材として働きやすい環境を整える事に力を入れています。
テレワーク転勤導入の三菱地所プロパティマネジメント
2つ目の企業は、東京都千代田区にある「三菱地所プロパティマネジメント」です。三菱地所プロパティマネジメントの営業職の女性たちは、2020年7月に実施された合同取材会で現状や課題について話し合いました。その中で女性のキャリアアップを支え、人材確保に繋がる選択肢を考えます。そのような事から「新しい転勤」として営業職の女性たちが提案したのが「テレワーク転勤」です。リモートワークで対応できる業務は、全体の85%に上り実証前に認識していた量の約2倍という結果になりました。その結果を踏まえたうえで、テレワーク転勤によって勤務地を変えることなく、女性が働きやすい環境を整えているのです。
テレワーク転勤を導入しているカルビー
3つ目の企業は、「カルビー」です。カルビーは2020年7月から「テレワーク」を標準業務形態としています。今までは、約800人のオフィス勤務社員がいましたが、7月以降はテレワークを中心としており、最終的には30%程度の出社率を目安にしています。夫の転勤などで仕事を辞めるという選択をしなくても、女性が働き続けられる環境を企業一体となって取り組んでいる例と言えるでしょう。
おわりに
テレワーク転勤は、新型コロナウイルスの影響により、導入する企業がさらに多くなった印象があります。これまでのリモートワークと合わせて、女性が生きがいを失わずに働き続けることが出来る環境が整ってほしいですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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