相対的貧困とはどうしたら解決できる?
相対的貧困は、外からは分かりにくいことも多いものです。
そのため、相対的貧困を少しでも解決するには、そのような状態に陥っているという現状に周りがいち早く気づき、支援を提供することが大切になります。
以下に、相対的貧困の子どもたちに対してできるサポートをご紹介します。
学校の担任教師が子どもの状況をきちんと把握する
担任教師は、子どもの様子を学校にいる間は見ることができます。
例えば、子どもとの会話の中で生じる違和感や体調が悪そうではないか、成績に問題がないかなどに対して、把握することが可能です。気になる点があるときには、子どもにさりげなく家庭のことを聞いてみたり、必要があれば家庭訪問をして親と話し合ってみたりすることで、貧困問題の支援に繋がるケースも存在します。
近所の人や民生委員も時には介入する
最近は、地域社会の繋がりが薄れてきている場合も多いですが、意外と周りはさまざまな物事を見ていることがあるものです。「隣の子どもが最近異常に痩せた気がする」と思ったり、地域で定期的に行う清掃活動に一切出て来ない家庭がいることが民生委員の耳に入ったりすることもあるでしょう。
周りから見て、不自然さや何かしらの問題を感じたら、第三者が様子を見に行ったり、必要な社会資源の提供についてアドバイスもできます。
民間施設や自治体が連携しながら必要な支援を行う
貧困家庭からや子どもの担任教師、近隣の人などから最初に相談を受け付けるのは、貧困家庭をサポートしている民間施設や自治体の窓口というケースも多いことでしょう。
これらの機関には、福祉や心理、医療分野などの専門家が在籍し、親がより良い仕事に就き、安定した収入を得るための就労支援や医療を受ける必要性がある子どもを医療機関に繋げたり、無料で子どもたちに勉強を教えるシステムなどが整えられています。
このような専門機関との関係性ができれば、貧困の連鎖を断ち切りやすくなるため、今後も民間施設と自治体のより強固な連携が望まれているのです。
おわりに
貧困と言うと、絶対的貧困をイメージしがちです。
しかし、親の収入の影響で満足に食事ができなかったり、教育の機会を失ったり、親の代わりに家計の面倒をみたりして、ギリギリのラインで生活している子どもの現実があるということも忘れてはいけません。また、相対的貧困は、労働や社会環境の変化などにより、誰にでも起こり得る危険性を持っています。他人事だと思わずに、身近な問題として心得ておきましょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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