働き方改革が行われる中で、2022年4月1日から数回に分けて改正が行われている「育児・介護休業法」ですが、今回の改正では「育児休業取得率の公表の義務化」が大きなポイントとされています。
この記事では、育児休業取得率の公表の義務化の導入の背景や目的などについて解説します。
「育児休業取得率の公表の義務化」これまでの改正のポイント
現在まで改正を繰り返してきた「育児・介護休業法」改正ですが、それぞれの改正ごとにポイントとなる以下のような部分があります。
また、以下の数字をみてわかるように、男性の育児休暇は14.21%(令和3年)とまだまだ発展途上の段階です。
育児・介護休業法改正2022年4月1日~ポイント
ここでのポイントは、「個別の周知・休業取得の意向確認・雇用環境整備の義務化」と「有期雇用労働者が育児休業・介護休業を取得できる要件の緩和」です。
改正前は、個別の周知や努力義務・雇用環境整備についての規定はなく、取得意向確認の規定もありませんでした。
しかし、改正後は雇用環境整備として研修や相談窓口の設置などの措置が必要となり、取得意向の確認も義務化されています。
育児・介護休業法改正2022年10月1日~ポイント
2022年10月1日から施行された育児・介護休業法改正におけるポイントは、「出生時育児休業(産後パパ育休)の創設」と「育児休業の分割取得」です。
最大のポイントとして、各家庭の事情に合わせた育児休業が取得できるようにすることが挙げられ、新たに新設された「産後パパ育休」と合わせて育休の分割取得が可能になったのも特徴と言えます。
分割取得は2回まで可能で、1歳までの育休取得も2回まで可能となります。
育児・介護休業法改正2023年4月1日~のポイント
2023年4月1日から施行される育児・介護休業法改正のポイントは、今回のテーマでもある「育児休業取得率の公表の義務化」です。
これは、期間の定めがなく雇用されている者または、過去1年以上雇用されている者・雇入れ時から1年以上雇用されると見込まれる常時雇用の労働者が1000人を超える事業主に対して定めるもので、年に1回育児休業取得率を公表することが義務付けられるようになりました。
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「育児休業取得率の公表の義務化」改正までの背景や目的
次に、「育児休業取得率の公表の義務化」までの背景や目的について解説していきます。制度の理解促進のために、期待されている部分を見ていきましょう。
ワーク・ライフ・バランスや働き方改革の実現のため
日本の男性の育児休業取得率は、世界各国と比較した時に非常に低いと言われています。
そのため、女性だけに負担が大きくのしかかるような仕組みを変える必要があると考えられており、育児休業取得率を上げることで男性の家事・育児参加率が上がるのではないかと期待されています。
そのためには、育休取得がしやすい環境づくりが急務となり、今回の育児休業取得率の公表の義務化へと繋がったと言えるのです。
男性の育児参加による好影響への期待
日本の男性の家事・育児関連の時間は、フランスやアメリカなどの先進国と比較しても非常に短いという特徴があります。しかし、近年では共働きの世帯も増えており、男性の家事・育児不参加が加速すれば出産意欲の低下による少子化はさらに悪化すると考えられます。
そのような事態を防ぐために、育児休業取得率の公表の義務化を行い、男性が家事・育児に積極的に参加できる環境を整え、社会全体としての好影響を期待しているのです。
仕事に対する意識変化への期待
男性が育休取得をして家事・育児に積極的に参加するようになると、育児への理解が深まるのはもちろん、夫婦の関係も良好なものになるでしょう。
加えて、父親としての自覚がしっかり芽生える時間を確保できるため、仕事に対する意欲の変化にも繋がるとされています。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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