結婚して夫婦になったとしても、性格や価値観が合わない。また、さまざまな理由で離婚という選択肢しかなくなれば、離婚をすることになるでしょう。日本国内のデータでみてみると、離婚件数は年々徐々に右肩下がりですが、今なお千組いれば約1.7組は離婚しています。つまり、1年間で約60万組が結婚していれば、約20万組は離婚しているのです。
その中でも、「結婚何年目」が最も離婚しやすいのか、また考えられる離婚理由などについて、ご紹介します。
離婚件数の年次推移
【同居夫婦】5年未満が一番離婚しやすい
厚労省では、同居期間を5年未満、5~10年未満、10~15年未満というように5年区切りにして、離婚件数をまとめています。その中で、一番離婚件数が多いのが5年未満の夫婦です。この傾向は昭和60年、平成7年、平成28年以降も、長い間一貫して結婚後、5年未満の離婚件数が多い状況となっているのです。
さらに細かいデータでは、5年未満の離婚件数が約6.4万組で、そのうち結婚から1~2年、2~3年目がそれぞれ離婚件数約1.4万組と最も高くなっており、1~3年目の新婚ホヤホヤが1番危ないというデータがみえてきます。
もしかして結婚するのが早すぎた?
離婚原因に多いものとして、性格の不一致や浮気、暴力、モラハラなどがありますが、もし交際期間が短い中で結婚した場合、結婚後に「こんなはずじゃなかった!」いう面がみえて、離婚につながりやすいという可能性があります。また、性格の不一致などが分かった瞬間に、離婚を決意するというカップルも多いものです。つまり、結婚後のギャップに耐えられず、すぐさま離婚を選択するケースがあると考えられるでしょう。
一度の浮気、繰り返される浮気で離婚
何年目の結婚カップルに多い理由、というわけではありませんが、許しがたい浮気などで離婚になることもあります。やはり、永遠の愛を誓った夫婦のどちらかが浮気をすると許すことはできないもの。最近は再構築などという選択肢もありますが、やはり浮気が発覚した瞬間に、早々に結婚生活に終止符を打つカップルが多いのが現状です。特に結婚期間が短かったりすると、こんな人だとは思わなかったなどと、早期に結婚生活に見切りをつけるケースもあるでしょう。
子どもの有無が早期の離婚につながる?
性格の不一致などでも離婚となり得ますが、決め手となるのが子どもの有無かもしれません。結婚数年目などで、まだ子どもがいない場合、再婚を見据えて離婚を選択するのもスムーズではあります。子どもがいると親権問題になることもありますし、こういった事情から子どもがいない場合は、早期の離婚につながるケースも存在します。
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5~9年目の夫婦も離婚率が高い
結婚から5年未満の離婚率が一番高いですが、次いで高いのが5~10年未満の夫婦です。その離婚件数は、約4万組。
最初の何年間の間は、お互いの性格の不一致やモラハラなどにも耐えつつ「何とかお互いに夫婦としてやっていく方法」を模索したものの、その生活に限界が来て、離婚という選択肢を取る夫婦もいるわけです。
また、恋愛のステージから夫婦生活というステージに入り、心理的に相手を愛することができなくなってしまったというケースもあるでしょう。
性格の不一致・マンネリも原因になる
離婚原因で多いものの中に、性格の不一致があります。その側面の一つとして、大事な話し合いをまともに取り合ってもらえなかったり、普段から夫婦の会話が「おざなり」だったりすると、ちりも積もればで離婚の原因につながることがあります。特にこの問題は、片方が全く無自覚で、片方にストレスが蓄積している可能性もあります。
経済的自立ができるようになり、離婚する
結婚5~9年目になると、女性も30~40代となり仕事をしている場合、昇給などで経済的な余裕が出てくる場合があります。結婚したは良いものの、性格の不一致で早々に離婚したいと思っている場合でも、なかなか経済的な事情で女性の方から離婚を切り出すことができないというのが、今までのパターンでした。しかし、最近は経済的自立ができるようになると、離婚に踏み切ることも選択肢として出てきます。
夫婦関係でさまざまな不安や不満がたまってしまい、生活のめどがたてばすぐにでも、離婚しようと思っている方が多いのも事実です。
熟年離婚もすごい勢いで増えている
同居日数を5年区切りでみた離婚件数で3番目に多いのが、同居期間が20年以上の夫婦の離婚です。いわゆる熟年離婚というものです。離婚件数が約3.8万件と、5~9年目の離婚件数に迫る勢いとなっています。
逆に、離婚件数が少ないのが10~15年未満、15~20年未満の場合です。いずれも離婚件数は2.7万件、2.2万件にとどまります。5年未満の離婚件数は約6.4万件ですから、約3倍近く差があります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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