憧れのタワーマンションに入居したり、分譲で購入したりすると、物件の購入にかかった費用の他に支払わなければならないものがあります。それが修繕費です。タワマンの修繕費は、一般的なマンションの修繕費よりも高額ですから、「高くてびっくりした」という方もいるでしょう。ここでは、タワーマンションの修繕費はずっと払わなければいけないの？という疑問について、解説します。
思わぬ落とし穴：高い修繕費は払い続けないとダメ？
マンションの購入は、取得費用のみではありません。月々支払う管理費があります。管理費の中には積み立て修繕費用が含まれています。この積み立て修繕費用はマンションを維持していくために発生する積立金です。タワーマンションの場合はこの修繕費が特に高額になる傾向があります。タワマンの高い修繕費、払い続けなければいけないのでしょうか？
そもそも修繕費とは？何のためにある？
マンションの修繕費は、何のためにあるものなのでしょうか？修繕費は一般的に、マンションが経年劣化などで修理や修繕が必要になった際のために、積み立てておくお金です。マンションを分譲で購入した人、つまり区分所有者が公平に負担することにより、マンションに何かあった際に使うことができるお金を積み立てておくというわけです。マンションの修繕費は、一般的に管理組合がプールしておき、必要な時に使います。
管理費と修繕費は違う？どちらも支払うの？
結論からいうと、マンションの管理費と修繕費は全く違うものです。マンションの管理費は、文字通りマンション管理のために使われるお金となります。例えば、分譲マンションを購入した時、マンション共用部の管理にかかる費用はマンションを購入した人が均等に負担する必要があるため、これだが管理費となるわけです。また、マンションの管理人さんや管理会社への委託費用も管理費のうちに含まれます。つまり、マンションで快適な生活を送るための管理費用となるのです。
一方で積み立て修繕費ともいいますが、修繕費は先ほどご紹介の通り、マンションに何か不具合が出た時に修繕するためのお金を、マンションの所有者等で積み立てておくものです。
タワーマンションの修繕費は何で高いの？
タワーマンションの修繕費は、何で高いのでしょうか？その秘密は、タワーマンションの構造にあります。タワマンは原則的に、一般的なマンションと比べて部屋の数が多く、高層階まで続く建物の構造上、修繕する際には大規模な工事になることが予想されます。そのため、一般的なマンションに比べて、タワマンの修繕費は高額になるという傾向にあるわけです。マンションも一度建てれば永久に維持できるわけではなく、経年劣化によって修理や修繕が必要になることから、修繕費そのものは避けることができません。
タワーマンションの総戸数（例）
| エリア | 規模 | 総戸数 |
| 中央区 | 地上58階 | 2799戸 |
| 港区 | 地上40階 | 2090戸 |
| 江東区 | 地上32階 | 1481戸 |
規模が大きいタワマンは共有施設が充実しています。キッズルーム、シアタールーム、フィットネスジム、ゲストルーム、多目的ルームなどです。防犯面では非常用エレベーターなどの設置が義務付けられています。また、修繕作業をする場合は高層がゆえに足場を作ることができず屋上からのゴンドラで作業をします。これらの施設や作業内容を考慮して修繕費用は高めになっています。
マンションの戸数規模別の管理費
2013年12月時点の全国マンション・ストック。70㎡換算の1戸・1カ月当たりの金額。
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修繕費など管理する管理組合って？参加するもの？
修繕費などを管理している、マンションの管理組合というものがあります。分譲マンションを所有されている方は、この管理組合に参加しているケースがほとんどではないでしょうか？いまいち実態がよくわからないという声も聞かれるマンションの管理組合について、お伝えします。
管理組合ってそもそも必要なの？
管理組合は、マンションを分譲で所有している区分所有者たちの取りまとめなどを行う組合で、管理費の支払いや修繕費の積み立てなど、いわゆる自治会的な組織として存在する必要があります。もちろん、マンションの修繕を行うことを決定するなど、全体的に話し合いをした上で決定しなければならないことを、取りまとめて決定する意思決定機関でもあります。マンションというひとつの大きな建物の中に、自分の住居が区分所有という形で存在するわけですから、共用部分などのことを考えても、やはりマンション管理組合が必要になるわけです。
管理組合はどうしても参加しないといけない？
マンション管理組合は、どうしても参加しなければならないようなものなのでしょうか？一戸建ての場合、町内会や地区自治会などに参加しなくてもよいというケースも増えてきている中で、マンション管理組合の参加は果たして強制なのでしょうか？結論としては、マンション管理組合は強制参加です。マンション管理組合は自治会のような、自由度の高いものではなく、あくまでもマンションというひとつの大きな建物を所有している人同士の管理組合ですから、区分所有者であれば加入は絶対に行わなくてはなりません。なお、賃貸であれば、マンションの管理組合に所属する必要はありません。
管理組合にもトラブルがある？
マンション管理組合と聞くと、あまりよいイメージを持たないという方も多くいるのかもしれません。昔からマンション管理組合は、その運営が不透明になりやすいこともあり、お金の問題などでトラブルが発生することがあります。また、共用部分の修繕などで済めばよいのですが、修繕費をどのような部分に使用するか、また修繕費の値上げ等に関する意思決定をマンション管理組合が行いますので、どうしてもトラブルが発生しやすいといわざるを得ないことが現状です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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