一緒に生活していると、時には夫婦ゲンカをしてしまうことがありませんか。しかし夫婦ゲンカは子どもにとって想像以上に大きな傷になるのです。ここでは夫婦ゲンカが子どもの成長にどれほど悪影響となるのかについて詳しくご紹介します。この記事を参考に両親とも夫婦ゲンカのしかたについて考えるきっかけにしてみましょう。
夫婦ゲンカは子どもの成長に大きく影響する
ちょっとした言葉づかいや無関心、配慮のない言葉など、ささいなことが発端で夫婦ゲンカになることがあります。しかしこの夫婦ゲンカが子どもの成長に大きく影響すると思ったら怖いことだとは思いませんか?
ケンカを目撃した子どもは傷ついている
子どもにとって両親とは無条件に自分を愛し、守ってくれると信じています。そのため、両親の夫婦ゲンカを目撃すると子どもは深く傷つきます。また、大好きな両親が言い争いやどなりあいをしていると強い緊張や恐怖を感じます。激しい夫婦ゲンカはたたいたり食事を与えなかったりする虐待とは異なりますが、精神的な虐待(モラルハラスメント)にあたります。パパやママにそんなつもりはなくても子どもを痛めつけているのです。
子どもの脳は大きくダメージを受ける
子どもは両親のケンカの理由を正確には理解できないことがほとんどです。そして両親がケンカをするのは自分が悪いからだ、と考えてしまう傾向があります。さらに近年の研究により、両親の夫婦ゲンカを日常的に見ている子どもの脳はダメージを受け、以下のような異常をおこすことがわかってきました。
- 海馬や扁桃体の異常(脳の記憶に関わる部分):怒りや不安を感じやすくなる
- 視覚野の一部が萎縮:記憶力や学習能力が低下する
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夫婦ゲンカは子どもの心をゆがませる
両親がケンカをすると、聞こえない場所に逃げることもできず耐えるしかないので、徐々に子どもの心身の成長に悪影響となります。ここでは両親がケンカしている姿を見て育った子どもがどうなるのかをピックアップしてご紹介します。
自分を大切にできなくなる
自分は大切な存在だと認めてもらわないと、子どもは自分を大切にしようという自己肯定感が育ちません。特にお金や子育ての行き違いが理由の場合、子どもは自分が生まれてこなければよかったと思ってしまいます。そうすると自分を不用意に傷つけるようになったり、挫折に弱くものごとに立ち向かっていく力を失ったりします。
人を信じられなくなる
相手の気持ちがわからず、いつか怒り出すのではないか、自分を嫌うのではないかと相手を疑うようになります。周囲を気にしすぎて常にびくびくするなど偏った精神状態になりがちです。
健康的な成長が阻害される
不安を感じて十分に眠れなくなります。通常、睡眠中は体の疲れをとり、成長ホルモンの分泌が盛んに行われます。しかしうまく眠れないと十分に休息がとれないため、体が十分成長しません。また、睡眠不足で日常的に疲れが取れないと、いつも何となくやる気がなく無気力に感じられる場合や、人とうまくコミュニケーションがとれず登校拒否や引きこもりになる場合もあります。
恋愛や結婚をしたがらなくなる
家庭を持つことが素晴らしいことだと思えなくなります。そうすると、人を愛そうと思えなくなったり愛し方がわからなくなったりすることが多いです。仮に結婚した場合もパートナーと協力して生活をするというのがどういうことなのかわからず、自分の親と同じようにケンカがちの夫婦生活になってしまう可能性があります。
いじめを受けたり仲間外れにされたりする
子ども自身もケンカ口調をまねしたり乱暴な行動をとったりします。さらに両親のケンカがストレスになり他のお友だちにいじわるをすることも考えられます。そうすると徐々に他のお友だちから嫌な子扱いをされていじめの対象になったり、仲間外れにされたりする可能性があります。
心の病を患うことも
夫婦ゲンカを目撃すると、子どもは怖がり泣いてしまうことが多いです。しかしあまりにも日常的にケンカをしていると、徐々に子どもは心に恐怖をしまい込み泣かなくなります。これは悲しくないのではなく、心を閉ざしてしまった証拠。さらにケンカのどなり声や怒った表情がトラウマ(心的外傷)となり、頭痛や吐き気、パニックなどを引き起こすPTSD(心的外傷後ストレス障害)や摂食障害になったりすることがあります。
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30代後半のママライターで夫、5歳娘、3歳娘、2歳息子の5人家族です。セットメーカーで技術者として10年ほど勤務していましたが、出産と夫の転勤が重なり退職。実家から遠く離れた土地で生活しています。子育てのポリシーは毎日が面白ネタです。大変なこともありますが、日々ボケと突っ込みで乗り切っています。また、できるだけ家族が揃う時間が作ってコミュニケーションを大切にしています。よろしくお願いします!
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