DVシェルターとは不便な事も多い!注意点を把握しよう
DVシェルターに入居することで、妻の身の危険を守ることが可能になります。しかし、シェルターで生活するには大変なことも数多くあるのです。
「こんなはずではなかった」と苦しまないためにも、シェルターが持つ注意点を知っておきましょう。
外部との接触を厳しく制限される
DVシェルターの所在地は、基本的に非公開となっています。なぜなら、加害者に被害者の居場所の検討がつかないようにするためです。
どこにいるか分かってしまうということは、加害者が訪ねてくるなどして被害者を連れ戻そうとする恐れもあります。そのため、被害者側もシェルター以外の場所とつながることを避けるような決まりも定められているのです。
例えば、携帯電話は職員に預け、どうしても必要な際は連絡先を告げたうえで使わなければなりません。また外出も時間制限があったり、シェルターの敷地内しか出ることができないなどのルールが、設けられています。
男の子を連れている場合は入居できないことも
DVシェルターに入居を希望する妻には、子どもがいるケースも少なくありません。夫がDVをしているとなると、子どもを自宅に残したままにすることはできませんよね。
シェルターは子どもと一緒の入居も可能ですが、男の子だったり、年齢制限の上限を過ぎていたりする場合は共に入居ができない場合もあります。
また、多人数の子どもの同伴も断られることがあるので、注意しましょう。
短い入所期間の間にやるべきことがたくさん
DVシェルターは、加害者のDVから逃れ、安心と安全を感じる場所に変わりはありません。しかし、入居期間が短いために、その間に数多くの手続きなどを行う必要があります。
具体的には、シェルターを退所した後の生活をどうして行くのか、公的な経済的支援を受けることができるのか、離婚調停の手続きなど、やるべきことは山積みです。個人では難しい手続きなどはシェルターのスタッフが手伝ってくれますが、自分自身が主体的にやっていくんだという強い心がまえも重要となります。
おわりに
DVに悩まされている妻は、世の中に数多くいることでしょう。いくら夫婦間だとしても、耐え難い暴力を受けていいわけではありません。自分の心と体の安全を守るためにも、暴力から逃れる勇気が必要です。妻の人権を大切にしながら生きて行くには、新しい人生を切り開くきっかけとなるDVシェルターの存在が必要不可欠になります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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