児童虐待の事件の報道があるたびに、「児童相談所はなにをしていたのだ」と批判されがちです。あなたは児童相談所に行ったことがありますか?ほとんどの方は、実際に行ったことはないのではないでしょうか。どのような人が働いていて、どのような仕事をしているのでしょうか。子どもを守るための児童相談所についてまとめてみました。
児童相談所はどこにあるの?
児童相談所は、都道府県と政令指定都市に設置することが義務付けられている施設です。それぞれの児童相談所が管轄する地域は、その地域の児童数などによってきめられています。
人口当たりの設置件数
児童相談所は、人口50万人につき1カ所程度を目安に設置されています。例外として、20万人以上の人口規模のある中核都市程度の市にも児童相談所を設置することができます。
全国の児童相談所の一覧は厚生労働省のホームページに記載されています。
中央児童相談所
一つの都道府県内に複数の児童相談所がある場合は、どれか一つを中央児童相談所に指定します。中央児童相談所は、他の児童相談所の実情を把握して、連絡調整、技術的援助、情報提供、措置の調整などの必要な援助を行っています。県内で転居などがあった場合に、スムーズな引き継ぎができるように配慮されています。
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児童相談所で働く人たち
児童相談所では、所長を筆頭に、相談員、児童福祉司、児童心理司、児童指導員、保育士、医師などが働いています。それぞれの人たちが専門分野を生かし、チームワークで相談援助に当たっています。特に聞きなれない職種について説明します。
児童福祉司
児童福祉司は、児童相談所の中心的な存在です。子どもや保護者を対象に、さまざまな相談、社会診断に応じています。相談者それぞれが抱える問題の解決に向けて、必要な支援指導を行う役割です。
人口4~7万人に一人の割合で配置されることになっています。
児童心理司
子どもや保護者の相談のうち、特にカウンセリングなど心理的な面での支援、調査などを行います。心理検査や診断面接などを行い、子どもや保護者の問題解決につながる心理療法やカウンセリングの役割をしています。相談に来る保護者や子どもたちは、心理的に傷を受けている場合も多く、児童心理司が配置されています。
児童指導員、保育士
児童相談所には、一時保護所という、保護した子どもが生活するための場所があります。そこでの生活の指導や、学習指導、また、行動観察や、けがや病気などの緊急時の対応などを行うために児童指導員や保育士がいます。保護に納得できない親が乗り込んできてしまったりすることを防ぐため、保護所での生活は、あまり自由がないものになってしまいますが、子どもたちの安全のために必要な施設です。
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40代前半。15年間の義両親同居のモラハラ生活を経て離婚、現在は15歳の長男と10歳の次男と3人で暮らしています。子どもたちにはそれぞれ特徴のちがう発達障害があります。離婚後、保育士資格を取得し、いかに自立していくかを模索中です。
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