家庭教育は親と周囲が一緒に行うもの
教育基本法では、子どもの教育にもっとも責任を持つべきなのは親などの保護者であるとしている一方で、国や地方公共団体は保護者の家庭教育を支援しなければならないとも定めています。
共働きやひとり親家庭も少なくない今、家庭教育がうまく行われるには、公的支援をはじめとする周囲のサポートが不可欠といえます。
「家庭教育の担い手は親」が理想だが…
「家庭教育は保護者によって行われるもの」は基本であり、理想ですが、共働き家庭やひとり親にとって子育てと仕事の両立は簡単ではありません。雇用関係の変化などを背景として、保護者は精神的にも時間的にも子どもと余裕をもって向き合うことが難しくなっています。
かつては、父や母のほかにも祖父母が家にいたり、隣近所の人々が子どもの面倒を見てくれたりする状況がありました。しかし核家族化・少子化が進み、子どもの教育は家庭の中だけで行われるものに変わってしまいました。また保護者も、周囲の大人から子育てについて学んだり、子育てに関する悩みを打ち明けたりする機会がありましたが、今はほとんどありません。
公共機関や周囲の人の手も借りよう
家庭教育は家庭の中だけで行わなくてはいけないものではありません。子育てを担っていた地域社会が機能を果たせなくなっている今、その代わりになるべき存在として、地方自治体や学校、NPOなどがあります。
各地方自治体には、子育てのサポートを行う部署があります(東京都なら子供家庭支援センターなど)。ホームページに子育て支援に関する情報がまとめられているところも多いので、チェックしてうまく利用しましょう。
また、地域で子育て支援活動を行うNPO法人もたくさんあります。地方自治体のホームページやネット検索を利用して、お住まいの地域に合わせた情報を手に入れましょう。
おわりに
家庭教育は学校教育と並び、子どもが大人になる過程で重要な位置を占めています。保護者は子どもと絆を強めながら、社会に出るために必要なことを教えていきます。しかし、じっくり子どもと向き合う時間がとれない保護者も少なくありません。「家庭でなんとかしなければ」と思わず、行政やNPO法人などの支援を積極的に活用し、子どもの健やかな成長を後押ししましょう。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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