小学生時代、体育館での集会でどのような体勢で座っていましたか?そう問われるとほとんどの方が「体育座り」を思い浮かべるのではないでしょうか。
また、今の小学生も当たり前のように体育座りをしています。そんな定番の体育座りに問題点があることを知っていいますか?もしかすると、今後小学校から体育座りがなくなるかもしれません。
「体育座り」のおもな問題点とは?
体育座り、三角座り、お山座りなどと呼ばれる座り方。現在、さまざまな問題点が指摘されています。思い返してみれば、大人たちも小学生時代には体育座りへの不満があったのではないでしょうか。
体育座りの代表的な問題点を挙げてみました。
長時間座っているとお尻や腰が痛くなる
体育座りをする際には、体育館の硬い床の上に直接座るため、お尻が痛くなります。体勢も変えられないので、お尻が痛くなってもそのまま座り続けるしかありません。
また、長時間姿勢よく体育座りをし続けるのは難しく、どうしても猫背になってしまいます。猫背の体勢でずっと固い床に座っていると、腰も痛くなってきますよね。集会が終わり、体育座りから解放されると、伸びをして腰や背中をほぐした記憶はありませんか?それだけ、子どもの体に負担をかける座り方だということです。
下着が見えそうなど、女の子特有の問題も
体育座りは体操服を着た時のみとは限りません。制服でも私服でも、スカートを着用していると体育座りで下着が見えそうで気をつかいます。アンダーショーツを履いたり、スカートの裾を引っ張ったりと、対処も大変です。
また、高学年の女の子にとっては、生理時の体育座りは苦痛でしかありません。生理痛がひどい子にとっては、固い床の上に長時間同じ体勢で座るのはつらいですし、生理中であることが周囲に気づかれないか、経血がもれていないか、ニオイはしていないかなど、精神的にもストレスがかかります。
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「体育座り」は時代に合わないのかも
私たち親世代には、すでに普通に行われていた体育座り。これまで当たり前に学校で取り入れられていた体育座りが、今になって疑問視されているのはなぜでしょう。それは、体育座りの指導が時代に合わなくなってきたからかもしれません。
なぜ「体育座り」がスタンダードだったのか
実は、学校で「体育座りをしなくてはならない」という決まりはありません。指導要領で指定された座り方ではないのに、なぜ体育座りはスタンダードとなったのでしょうか。
それは、体育座りが集会などの人が集まるシーンにぴったりの座り方だと考えられていたからだといわれています。体育座りのメリットは、足を抱えて小さく縮こまった体勢になるため、場所を広く使わないことにあります。運動場や体育館の限られたスペースで集会をする際に都合が良かったのです。
集団行動より個人の事情の方が大切
愛知県教育委員会『集団行動指導の手引』の中で、「腰をおろして休む姿勢」として紹介されている体育座り。1965年に当時の文部省が刊行した『集団行動指導の手引き』内でも同様の解説があったそうです。つまり、体育座りは、集団行動の中で適切だと考えられている座り方ということになります。
しかし、現代では集団行動以上に個人の考え方や事情も大切にすべきだと考えられています。「体育座りは腰や足が痛くなる」や「今日はスカートをはいている」などの理由も考慮してほしいという声が出てくるのはそのためです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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