今、注目を集めている教育法のひとつに、フレネ教育があります。フレネ教育は南フランスの山村で誕生した教育法で、少しずつ日本でも取り入れられています。日本でも取り入れられている理由は、フレネ教育に多くのメリットがあるからです。
そこで、ここではフレネ教育の内容や特徴などを詳しくご紹介します。
フレネ教育はどのようにして生まれたか
実は、フレネ教育を詳しく知るためには、フレネ教育が誕生した時代背景を知っておく必要があります。そこでフレネ教育の特徴を見ていく前に、まずはフレネ教育とはどのようなものか、また、フレネ教育ができた背景はどうであったかを見ていきましょう。
子どもが主体となった自由な学び
フレネ教育とは、南フランスの山村で小学校の教師であるセレスタン・フレネが考案し、1920年代に実践を始めた教育方法です。考案者の名前からフレネ教育と呼ばれています。
フレネ教育は、教師から生徒への一方通行の学習ではなく、子どもが主体となった自由な学びを目指した教育法となっています。この教育法は世界中から注目を集め、現在では多くの国にフレネ教育を取り入れた学校があります。
日本でもまだまだ数は少ないですが、フレネ教育を受けられるフリースクールなどがいくつかあります。
フレネ教育に影響を与えたフレネの境遇
フレネ教育ができた当時、「子どもが主体となって自由に学ぶ」という考えは今までになかった教育方法でした。では、なぜフレネ教育ができたのでしょうか。
フレネ教育ができた背景には2つのポイントがあります。ひとつがフレネ自身の体調、もうひとつが子ども学習態度です。
フレネは第一次世界大戦時、戦地で浴びた毒ガスが原因でのどや肺を痛めてしまいます。そのため大きな声を出して授業ができませんでした。一方、教えている生徒は、落ち着きがなく、授業に集中できませんでした。
大声で注意できないフレネは、子どもたちを散歩に連れ出したり、自然に興味をもった生徒に、興味を持ったことを自由に表現させたりするなどの教育を行いました。これがフレネ教育の原点になっています。
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子どもの自主性を尊重するフレネ教育
フレネ教育が打ち出した教育方法は、1920年代当時としては画期的な生徒の自主性を重んじる教育方法です。生徒の自主性を育む学習方法として「学習の個別化」と「対話の重視」があります。それぞれについて見ていきましょう。
学習の個別化で子どもの個性に合わせる
学習の個別化とは、簡単にいうと子ども一人ひとりに合わせた学習を行うことです。
一般的な学習では、画一された教育プログラムをすべての生徒に受けさせることが原則です。しかし、それぞれの子どもには個性があり、画一されたプログラムではその個性を伸ばすことができません。
そこで、フレネ教育では、子どもたちに身近なものなどをテーマにした作文に取り組んでもらったり、個々に合わせた学習計画表を作成し、学習計画表に沿った学習をしたりすることで、学習の個別化を実践しています。
対話の重視で思考力や自主性を育む
フレネ教育の特徴として、もうひとつ挙げられるのが対話の重視です。生徒同士の対話を多くすることで、コミュニケーション能力を高めたり、多様な価値観を認め合う心などを身につけたりします。
一般的な学校教育では、教師から生徒への一方向の学習がメインです。しかし、フレネ教育では、子どもが書いた作文を教材にしたり、生徒同士の会話による授業をしたりと、対話を重視した教育を行っています。対話を重視した教育で、思考力や自主性を育むことも可能となります。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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