新技術の開発や新しい産業の登場、社会情勢の変化などにより、社会が求める人材も変化しています。これは教育についても同様で、新たな教育方法が出現するなど、変化が起こっています。ここでは将来社会で活躍できる人材を育てるため、21世紀の教育で重要な4つのスキルについてご紹介します。
教育で重要な4つのスキル(4C)とは
親の多くは子どもに「将来社会で活躍できる人間に育ってもらいたい」という思いを抱いているでしょう。そのためにこれからの教育で重要なスキルは、4Cといわれる4つのスキルです。まずは教育で重要な4つのスキル(4C)の内容について見ていきましょう。
これからの教育には4Cが必要である
4Cとは、アメリカで提唱された教育方法の1つです。アメリカの教育省やアップル、マイクロソフトなどの企業など、20以上の組織や教育専門家によって考え出されました。子どもが将来、自分の力で生きていける力をつけるために必要な4つのスキルを、次のように定義しています。
4つのスキルの頭文字をとって、4Cと呼ばれています。
4C教育が出現した社会的背景とは
ではなぜ4C教育が必要になったのでしょうか。その背景には、社会の構造の変化があります。第二次世界大戦後、アメリカに限らず世界の多くの国は、たくさんの人が企業に属して働く、いわば一律の働き方によって成長してきました。そのため受動的に組織の価値を高められる人材が求められてきました。
しかしIT技術やロボットの開発によって、これまで人が行っていた仕事をAIやロボットでも行えるようになったことにより、働き方にも多様性が生じ、社会で求められる人材も大きく変化しています。
これからの社会で求められる人材は、組織ではなく個の価値を高められる人です。社会情勢の変化により、教育においても自分で考え、個の価値を高められるための4C教育が出現したのです。
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教育現場で行われている4C教育とは
実はすでに日本も国や各自治体により、4C教育を積極的に取り入れようとしています。親としても子どものために、教育現場で行われている4C教育を知っておく必要があります。そこでここでは日本の4C教育について見ていきましょう。
IT教育の先駆者つくば市の4C教育
日本で先進的な教育を行っている自治体として、有名なのがつくば市です。つくば市では、30年以上前から教育にコンピュータを取り入れており、独自の4C教育も行なっています。
まず自然や歴史などに触れる、取材をするなどの課題を見つけるための体験的活動を行います。その後校内学習で、スタディノートによる学習のまとめやテレビ会議による博物館研究所との連携、友だちや他校の人とのやりとりから思考を深めるといった工程を踏みます。これら4C教育により、自分で考え行動できる人材を育てています。
国も4C教育の研究を進めている
自治体だけでなく、国も4C教育の研究を進めています。文部科学省や日本学術振興会により行われた研究のデータを公表している「KAKEN(科学研究費助成事業データベース)」によると、愛知大学が中心となって、山梨県の中央市や広島県呉市の一部の小学校で、算数や家庭科内容を取り入れる英語の授業を行なっているようです。また「水のサイクル」をテーマとした社会科内容について統合する授業を行ったりするなど、4C教育の実地研究を進めています。
その結果、「受動的でなく自発的に内容に興味をもって取り組める」「思考を深める活動ができる」「異文化の相手との交流を楽しむ」など、児童が活動に積極的に取り組む様子も見えてきました。こうした成果を踏まえ、今後もますます4C教育の研究は進むでしょう。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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