ワーキングメモリーが低い子どもに向いている勉強方法は?
先ほどにも触れたように、ワーキングメモリーが低い子どもは勉強の際に
- 言われたことが理解しにくい(口頭での指示が苦手)
- 口頭でやり取りした内容を覚えられない
- 集中力が持たない
といったことが懸念されます。そのため、勉強のサポートはこの3つの特徴を踏まえて行いましょう。具体的な方法はいくつかありますが、今回はすぐにできるサポートをご紹介します。
言われたらすぐにやる癖をつける
お手伝いの用事や宿題など、しなければならないことを後回しにしてしまうと、その存在さえ忘れてしまいます。すぐに忘れてしまうのであれば、忘れないうちにやるべきことに取り掛かることで、忘れや漏れを防ぎましょう。
これは、忘れ物を予防することにも効果的です。勉強に関しても、分からないことがあれば後回しにせず、その場ですぐに調べて解決するようにしてください。
メモをとる癖をつけさせよう
ワーキングメモリーが低い場合、メモをとることで忘れや抜けを防ぎ、記憶の定着をはかることが可能です。
例えば、黒板に書かれていることだけでなく、先生が口頭で話したこと、自分の思ったこともメモするといいでしょう。
また、ワーキングメモリーが低い場合、意味を持たない単語を覚えたりすることが苦手だという特徴も持つため、その時の状況や今までの経験も絡めてメモすることで記憶同士が繋がって意味を持ち、覚えやすくなる効果もあります。
小さな頃からメモをとる習慣を身に着ければ、大人になっても必ず役に立ちます。
視覚からアプローチすることも大切
ワーキングメモリーが低いと、聴覚からの情報を得るのが苦手な傾向がありますが、視覚からの情報に関しては問題ない、または得意だという子も多いと言われています。そのため、1日の予定やお手伝いの内容、勉強の内容などを紙に書いてまとめたり、図やイラストを使って分かりやすく整理してあげたりするといいでしょう。
ワーキングメモリーが苦手な子は学力が低いわけではなく、目に見えない情報を整理することが苦手なだけなので、大人が分かりやすく噛み砕いてあげるのも効果的です。自分なりの勉強方法や情報のまとめ方を見つけられるように、時には一緒に考えて工夫していくことも重要です。
おわりに
ワーキングメモリーの低さはすべてが発達障害というわけではなく、その子の特性だと捉えましょう。また。ワーキングメモリーが低いからといって学力が低いわけではないため、適切なサポートを行えばみんなと同じように勉強ができるようになる子もいます。
今回ご紹介した方法はごく一部ですが、他にもサポート方法はたくさんありますので、子どもに合った方法を試行錯誤しながら見つけてくださいね。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。