保活の鍵を握る“四つ目の要因”
ここまで読んで、ため息が出てしまったママも多いことでしょう。国も自治体もさまざまな策を講じていますが、すぐに解決とはいきません。いま当事者であるママができることはないのか?待機児童問題を踏まえて、どう行動すべきか?一緒に考えていきましょう。
待機児童問題!四つ目の要因は“地域差”
待機児童問題を語るうえで、見過ごせないのが地域ごとの実情です。東京都は待機児童数トップで1万人越え。東京以外でも、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、宮城県仙台市など、都市部の保活は激戦を極めるといいます。
エリアが少し違えば保育園の空き状況はガラリと変わります。また、保育園の申し込みに対する点数の算定方式も、自治体によってさまざまです。これから保活をするママにできることといえば、一にも二にも情報収集ではないでしょうか。近隣の保育園がどれだけの定員枠を設けているのか。申し込み方法や申請に対する評価のされ方などなど。知っているか知らないかで希望する園の選び方や申請書の書き方が変わってきます。また、出産を機に引っ越しを検討している人は、まさに保活情報の調べどきです!すぐに状況は改善しないからこそ、できるだけ情報を集めて「自衛」していきましょう。
待機児童問題に対してママたちができること
わが子が待機児童にならないために、また将来同じ境遇のママたちが保活で苦しまないために。できることから取り組んでいきましょう。
保活の対象を拡大する
立地の面で多少劣っても、定員枠が多い保育園を選ぶことも視野にいれましょう。認定こども園や認可外保育所も検討の価値アリ。選択肢は多いに越したことはありません。
自治体の窓口でとことん聞く
申し込みに際して、分からないことがあれば窓口で聞くのが基本中の基本。一度の相談で満足せず、二度でも三度でも足を運びましょう。筆者の経験上ですが、窓口の担当者が変われば、得られる情報も変わります。前の人が教えてくれなかったことを知れたり、新しい切り口で解説してくれたり。聞くだけタダです。とことん質問しましょう!
声を上げる
保活について「悩みや不満を漏らしたら選考で不利になるのでは」とご心配の人も多いでしょう。確かに一方的なクレームをつけるのは大人として避けたいものです。しかし現状を変えてもらうためには、当事者からの声が必要です。「入所できなかったら退職せざるを得ない」「どうしても働きたい」。こういった声を、「いっても無駄」と思わずに発言してきましょう。同じ意見が多く集まれば窓口の対応だけでなく、自治体の方針も変わってくるかもしれません。
おわりに
超少子化の日本では、子どもはまさに「宝」ですよね。にもかかわらず、保育園が見つからないから安心して子どもを産めない、というのは残念なことです。すぐに状況は変わりませんが、まずはしっかり情報を集めて自衛策を。さらに「聞くべきことは聞く」「言うべきことは言う」という姿勢で、まずは自分にできることをやっていきましょう!
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
第1部 少子化対策の現状(第1章)・内閣府
保育所等関連状況取りまとめ(平成 29 年4月1日)・厚生労働省
夫婦の出産意識調査 2017・一般財団法人1more Baby応援団
専業主婦世帯と共働き世帯・独立行政法人労働政策研究・研修機構
世界各国の出生率・内閣府
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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