わたしたちを取り巻くメディア環境は日々変化しており、中でもソーシャルメディアの発展には目を見張るものがあります。ソーシャルメディアにはたくさんの恩恵がありますが、一歩間違えれば様々なトラブルに発展してしまう危険さも持ち合わせており、これは子育てにおいても例外ではありません。
この記事では、「ソーシャルメディア時代の子育て」について考えてみることにしましょう。
「ソーシャルメディア時代の子育て」で知っておきたいこと
ソーシャルメディアを味方につけることができれば、子育てにおいて様々な手助けとなってくれます。しかし、誤った使い方をすればトラブルに発展したり、子どもを傷つけてしまったりする危険性も持ち合わせているのが現実です。
ソーシャルメディアを利用するにあたって、まずはソーシャルメディアに関する正しい知識を得ることからはじめなければいけません。
そもそもソーシャルメディアとは?
「ソーシャルメディアとは何か?」と尋ねられると、明確に答えることのできる方は少ないでしょう。
ソーシャルメディアを簡単に表現すると、新聞やテレビ、映画などの、よりパブリックな産業メディアとは異なり、個人的に誰もが発信できる情報やコンテンツのことを指します。
子育てにおいても、身近にあるソーシャルメディア
ソーシャルメディアの具体的な種類としては、ブログサービス、掲示板、TwitterやInstagramなどのSNS、LINEやカカオトークといったメッセンジャーアプリ、YouTubeやTikTokなどの動画共有サービス、ぐるなびや食べログといったレビューサイトなどが挙げられます。
つまり、マスメディアとは異なり、ソーシャルメディアで発信される内容は個人的かつ多様性を多く含むものもあるため、多くの方の共感を得やすく、魅力的なコンテンツとなりやすい傾向にあります。
半面で、気ままに誰でも投稿できるソーシャルメディアは間違った情報が拡散されたり、質の低い内容のコンテンツが発信されたりといった問題も持ち合わせているのです。
親世代と子ども世代を取り巻くソーシャルメディアの違い
現代の親世代は「デジタルネイティブ世代」と呼ばれ、生まれた頃からインターネットが身近にある環境で育ってきた方たちです。インターネットの普及と発展とともに育った世代でもあるため、子どもの頃には、ソーシャルメディアは今ほど発展していませんでした。
一方、今の子ども世代は「ソーシャルネイティブ世代」と呼ばれ、生まれた頃からソーシャルメディアが身近にある環境で育っています。ソーシャルネイティブ世代の子ども達はデジタルメディアの操作性に優れており、ソーシャルメディアを通してのコミュニケーションに抵抗を感じる事は少なく、生活の大部分においてソーシャルメディアを活用している場合も珍しくありません。
どちらもデジタルやメディアと親密に関ってはいるものの、ソーシャルメディアとの関わり方においては微妙な間隔のズレがあります。
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ソーシャルメディア時代の子育てのメリットとデメリット
ネットページの閲覧をネットサーフィンと呼びますが、ソーシャルメディアの利用は、自らがネットという海に飛び込み、泳ぐ行為だと言えます。上手く泳ぐことができれば非常に充実感や楽しさを見出せる半面、溺れてしまえば命を落とす可能性もあります。
ソーシャルメディア時代の子育てにおいては、ソーシャルメディアのメリットとデメリットを適切に理解し、自分自身や子どもが正しく利用できるよう訓練をする必要があります。
ソーシャルメディア時代の子育てのメリット
ソーシャルメディア時代に子育てをするメリットとしては、次のようなものがあります。
- 子育ての不安や悩みの解消に役立つ
- 他者と繋がることで孤独が解消される
- 情報共有ができる
- 偏った情報に流されない
- 子どもの学習に役立つ
ソーシャルメディアでは多くの情報を得ることができるため、子育てへの悩みや不安が解消され、生活に潤いをもたらしてくれます。LINEやテレビ電話で遠方の親族と交流を深めることもできますよね。
また、YouTubeなどの映像コンテンツの中には、子どもの教育教材として素晴らしいものもたくさんあります。多くの方が発信する情報を受け取れるため、マスメディアによる偏った情報に踊らされることも少なくなります。
ソーシャルメディア時代の子育てのデメリット
ソーシャルメディアには、デメリットも数多く存在します。
例えば、2009年にはWHO(世界保健機関)がゲーム依存という病名をつけ依存症として認定したほか、スマホや学校でのタブレット端末を利用したLINEいじめ、掲示板やSNSでの誹謗中傷などが問題となるケースがあるのです。
また、インターネットはデジタルタトゥーとも呼ばれる問題も生じます。ネット上に一度公開された情報は、完全に消すことはできません。
子どもが安易にプライバシーに関わることを流出してしまうと誹謗中傷の標的になったり、深く心が傷ついたり、犯罪に巻き込まれたりといったトラブルに発展する可能性もあります。
今後はソーシャルメディアの適切な教育が必要不可欠に
親子ともにソーシャルメディアを適切に使いこなすためには、ソーシャルメディアに関する正しい教育が必要になってくるでしょう。
最近では、学校でデジタルメディアやソーシャルメディアについてのリテラシーを深める教育も取り入れられつつありますが、家庭内でも、そういった教育を取り入れることをおすすめします。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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