知っておきたい裏アカウントを持つリスク
「自分の好きなモノ・コト」「プライベート」についての情報発信・収集を目的にした裏アカウントは、「リアルの友だちにはなかなか見せられない自分」を表現することともいえます。
しかし注意しなければならないのは、裏アカウントを持つことがリアルな社会とは異なった「ネット上だけのつながり」を形成しやすいという点です。「ネットだけのつながり」がリアルな世界とは異なるということを子ども自身が理解していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
知らない相手とつながりやすい裏アカウント
2019年の「第12回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」によると、SNSの利用法としてもっとも多いのが「写真・動画アプリで撮影のみ」という方法でした。SNSに好きな芸能人、または自分のプライベートなどの写真や動画をあげて、フォロワーと共有したいという思いがあるのでしょう。2020年の調査では、利用法に関する調査項目がありませんが、2019年と同じ傾向が続いていると考えられます。
裏アカウントにはしばしば、顔などを加工した自撮り写真が上げられています。理由は「『いいね』がほしい」などの承認欲求が大きいといえるでしょう。こうした投稿には「#裏垢」「#裏垢女子」「#裏垢男子」などのハッシュタグがつけられていることが多いのですが、ハッシュタグ検索機能を利用して、こうしたアカウントに悪意を持って近づく大人がいます。投稿者がこうした大人と接触を持ってしまい、連れ去られたり、児童ポルノ・性犯罪の被害にあったりする例があとを絶ちません。
またオンラインゲームで接点ができたことがきっかけで、SNSの趣味用裏アカウントを通じて連絡を取り合うようになり、同様の被害に遭う例も多く報告されています。
裏アカウントのリスクを子どもに伝えよう
警察庁の調べによると、SNSでの接点をきっかけに、犯罪に巻き込まれる18歳以下の子どもの数は2013年以降増加しており、2019年は2,095人。前年比15.7%増(暫定値)となっています。
SNSで面識のない子どもと大人が接点を持ち、子どもが家を出て自宅から離れたところで保護されるといった事件をニュースなどで目にした方も多いでしょう。
こうした事件を「自分の子どもとは関係のない、特別な事例」と片付けるのは危険です。すでに子どもにスマホを持たせている方も、これから持たせようと考えている方も、改めて子どもに裏アカウントのリスクを伝える必要があります。
おわりに
スマホを所持する小学校高学年のうち、3割強がSNSの裏アカウントを持っているというアンケート結果は、親世代にとっては驚くべきことでしょう。裏アカウントは、リアルな人間関係とは切り離されたやり取りが目的になっているため、親が把握できないことも少なくありません。
裏アカウントを持っていないか、さりげなく聞くと同時にリスクについても十分話し合っておく必要があります。またフィルタリングや利用制限といった、子どもを守るためのサービスについて勉強し、子どもを守りましょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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