紙の辞書のメリットを生かす学習方法
小学校で重たい紙の辞書をあえて使用しているのは、
「子どもの語彙力を増やす」
「学習意欲を高める」
「調べ学習の基礎を学ばせる」
というねらいがあるためです。
小学校低学年向けの辞書は、すべての文字にルビがついたもので2万語程度収録、高学年向けには部分的なルビ付き(パラルビ)で、3万語以上収録されているものがよいでしょう。学習意欲向上のためには、カラー刷りをおすすめします。
最後に紙の辞書を勉強に生かす方法をご紹介しましょう。
「知っている言葉」を探す逆学習法
辞書は、知らない言葉を調べるために使用します。学校ではおもに国語の学習で使用し、教科書に出てくる意味のわからない言葉を引く練習をしていきます。しかし、これだけでは範囲がせまく、「知っているつもり」と思っていても、実はあいまいな理解のままになっているため言葉の学習が進みません。
小学生の「辞書引き学習法」の提唱者である深谷佳助氏は、「知っている言葉を探す」という逆学習法をすすめています。子どもが知っている言葉を辞書で引き、付箋に書いて辞書に貼っていくという方法です。調べた言葉が増えていくと付箋も膨大になり、見た目にも達成感が得られます。
「わからない」というマイナス感情からの出発ではなく、「知っている」というプラスの感情からはじめられる学習は、意欲の向上にもつながります。知っているつもりの言葉の意味をあらためて確認することで、あいまいな理解を修正し、正しい知識が得られるでしょう。
中学受験では電子辞書のメリットが生きる
小学校で紙の辞書を引く学習をすすめて辞書を引く習慣ができれば、家庭で電子辞書を併用することも視野にいれましょう。特に中学受験を考えている場合は、電子辞書のメリットを生かすことができます。
調べる手間を最小限にして学習時間を確保できますし、塾へ持参する場合もコンパクトで持ち運びがらくです。タブレットのようにインターネットにつながらないので、セーフティ対策を講じる必要もありません。
おわりに
小学校では、電子辞書の利便性よりも紙の辞書の学習効果を重視し、おもに紙の辞書が使用されています。電子辞書のメリットは、語彙力を獲得していく時期の小学生にとって、逆にデメリットになる場合があるのです。とはいえ、電子辞書をまったく使ってはいけないということではありません。
紙の辞書と電子辞書、それぞれ学習の質が異なるという特性を理解し、使い分けていきましょう。
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