絶対音感と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?おそらく、「音楽面で役に立ちそう」という先入観や「小さい頃から、私の子どもにも絶対音感をつけさせたい」と感じる母親たちもいることでしょう。ここでは、絶対音感の詳細とトレーニングについて、ご紹介します。
絶対音感の意味とはどういうもの?
絶対音感とは、ある音を聞いて、「この音はドだ。あの音はソだ。」と理解できる感覚のことです。つまり、身の回りの音(救急者のサイレンや、動物の鳴き声など)を、ドレミの音符で聞き分けることができる能力のことをいいます。
絶対音感の持ち主には、どんな特徴がある?
絶対音感の持ち主は、周囲の音がドレミに変換されて聞こえ、正確な音の周波数を頭で記憶できます。そのため、音が耳に入ることで、瞬時にその音を判断することができるのです。ただし、絶対音感にも個人差があるといわれています。例えば、単音しかわからない人や和音がわかる人、細かい周波数までわかる人など、その人によって異なります。
絶対音感に対し、相対音感とは?
絶対音感が、その音をドレミで判断するのに対して、相対音感とは基準となる音を知り、他の音を判断する能力だといわれています。また絶対音感は、幼少期からのトレーニングが必須となりますが、相対音感は大人でもトレーニング次第で身につけることが可能です。しかし、相対音感は2種類に分かれており、「音楽を列として判断する人」と「流れとして判断する人」に分かれています。音楽には、両方の能力が必要ですが、演奏や合唱をする際は、音楽を流れとして判断した方が演奏を上手に行うことができるとされています。
絶対音感を持っているかを見分けるには
絶対音感を持っている人は、身の回りの音がドやソといったドレミ音に聞こえてきます。一方、絶対音感を持っていない人は、普通の音として聞こえます。しかし、完璧にドレミ音に聞こえる人やおおまかにしか聞こえない人もいるので、完璧に見分けるのは難しいといえます。中には、身の回りの音が、言語のように聞こえる人もいるようです。
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絶対音感をつけるトレーニングとは
絶対音感は、基本的には7歳までに身につけないと、一生その能力を身につけることができないといわれています。もし、自分の子どもに、絶対音感を身につけてほしいとしたら、7歳までに必要なトレーニングを行うことが大切です。
親しみやすい曲をドレミの音で歌う
絶対音感のトレーニングは、「メリーさんのひつじ」や「チューリップの歌」など、子どもが親しみやすい曲をドレミで歌うところから始めてみましょう。小さい子どもだと、ピアノの鍵盤が弾けなかったり歌いづらかったりするので、大人が鍵盤を弾いてあげたり、実際に歌ってみたりして手助けをしてあげましょう。また、和音もドレミで歌うことによって、それを聞き分ける能力も身につけることができるといわれています。
できるだけ小さい頃から始めることが大切
トレーニングを始めて、3カ月ぐらいで絶対音感を身につける子どももいれば、2~3年という年単位で身につく子どももいます。しかし、絶対音感のトレーニングは、小さい頃から始めることが大切です。幼少期は、赤ちゃんから体が少しずつ大きくなる時期で、もちろん、耳も発達して行きます。耳の発達する頃にトレーニングを行うことにより、絶対音感だけではなく、音楽に関するさまざまな能力を身につけることも可能となります。
親に絶対音感がない場合でも大丈夫
絶対音感には、遺伝性があり、親に絶対音感がなければ、子どもがそれを身につけるのは無理だと思っている方もいることでしょう。しかし、絶対音感は、遺伝とは関係がないといわれています。つまり、親が絶対音感を持っていなくても、トレーニング次第で、子どもが絶対音感を身につけることができるのです。ただ、トレーニングをしても、絶対音感が必ずしも身につくとは限りません。なぜなら、絶対音感をつけるのには向き・不向きがあるからです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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