小学生のランドセルは教科書やノートでぱんぱんです。あまりの重さに「教科書を全部データ化すればいいのに」と思っている保護者も多いのでは?実際に教育現場では、デジタル教科書の構想が進んでいます。現場の使用状況や、メリットデメリットについて情報をまとめました。
デジタル教科書の使用状況
文部科学省の規定するデジタル教科書は、「小型のタブレットに紙の教科書情報がインプットされている電子教科書」です。同省は、平成31年4月に「学習者用デジタル教科書の制度化」を決定した法改正を行いました。最終的には、すべての小学校でタブレット端末を導入し、活用されることを目標としています。
小学校では約5割で導入済み
現在、多くの小学校ではICT教育の一環として、タブレットや電子黒板を使った授業が行われています。文部科学省の調査によれば、平成30年の時点でデジタル教科書の導入率は、小学校で52・1%、中学校で58・2%、高等学校で12・5%となっています。約5割の小学校で導入されていると聞いて、「うちの子はまだ教科書いっぱい持って学校に行っているけれど・・・」と疑問に思った方もいるでしょう。この調査でいう「デジタル教科書」は学校教科書に準拠した、指導用のデジタル教科書のことです。教室でひとりひとりタブレットを持ち、家にも持ち帰って学習するという使い方ではありません。しかし、いずれはこのような形でデジタル教科書を利用するのが理想ですね。
教科書会社が使用をサポート
デジタル教科書は、教科書検定を通った紙媒体の教科書をデジタル端末にインプットしたものです。学校の先生が使っている指導用のデジタル教科書は、各出版社が作成しています。もちろん、紙の情報をPDFにしてとりこんでいるだけのものではありません。教科書内の図版を回転させたり、切り取ったり、拡大、縮小、音声のアウトプット、さらに詳しい情報へのアクセスなど、さまざまに展開できるデータを組み込んでいます。授業への応用や使い方なども、専用サイトを作ってサポートする体制が作られています。国語や算数といった主要教科はもちろん、家庭科や書写の教科書もデジタル化されています。誰でもアクセスできますので、のぞいてみてください。
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デジタル教科書のメリット
デジタル教科書を導入することは、子どもたちにとって大きなメリットがあります。スマートフォンやタブレットなどが一般家庭にも普及し、生まれたときから情報機器がある時代に生まれたデジタルネーティブ世代にとっては、デジタル化は当然の流れかもしれません。
授業の理解が深まる
教科書がデジタル化すると、情報量が格段に増えます。しかも、文字を読むのではなく、視覚・聴覚を使って感覚的に理解できることが多くなります。例えば、図形の展開図を考えてみましょう。平面に展開された図が、どのように立体化するのか?授業のなかで、実際に図面を起こして立体を作った経験がある方もいるでしょう。デジタル教科書では、タッチひとつで立体化していく過程を目で見ることができます。もちろん、手を動かして学ぶ過程を軽視するわけではありませんが、要所で学び方を選択することが簡単になるでしょう。音楽や英語の発音も、耳で聞いて学ぶことができます。学習障害や視覚障害を持った子どものサポートも容易です。
ランドセルが軽くなる
現段階では、先生が使うだけになっているデジタル教科書ですが、いずれひとり1台のタブレットを持つようになれば、学校へ持っていく荷物がほとんどなくなります。平均6キロ近いランドセルの重さが、タブレットとタッチペン、体操服と絵の具箱程度になるわけです。子どもの発育にも悪影響が心配されている重さ問題も解決します。端末機は高価ですから、なかなか家に持ち帰るようにはならないかもしれませんが、もし許可されれば、家庭学習の効率もあがります。いずれは、夜遅く学習塾に通う必要がなくなる可能性もありますね。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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