冬は寒さと乾燥のため、ウイルスが活躍するのに格好の季節です。代表的なインフルエンザやノロウイルスをはじめ、できれば関わりたくないウイルスがうようよ!そんなウイルスから身を守る対策として効果的なのは、温度や湿度に気を遣うことです。そして寒さのために閉め切りがちな部屋の窓をこまめに開けて、換気をすることも必要です。
ウイルスと湿度、温度、換気の関係
ウイルスとは生物の細胞の中で増殖できる微生物のようなもので、多くの病気の原因であり、風邪もほとんどがウイルスのために起こります。低温で乾燥した環境では飛散量が増えるため、冬場に病気が流行しやすくなります。病気予防にはウイルスが飛散しにくい環境を作るのが効果的です。
ウイルスの死といえる不活化とは?
ウイルスは厳密にいえば生物ではないので死ぬことはありません。自力では増殖することができず、他の生物の細胞に入り込むことで初めて増殖することができる性質を持っています。ただしウイルスは熱や薬品により変性・分解して「不活化」すると細胞に感染する力がなくなります。これがウイルスにとっては実質上の死のようなものです。
ウイルス対策に効果的な湿度・温度とは?
インフルエンザウイルスの活動と湿度・温度の関係については、G.J.Harperらによる研究結果が発表されています。実験装置内にインフルエンザウイルスを入れ、さまざまな湿度と温度の環境を保って生存率を測ったものです。その結果、高湿・高温の環境ではウイルスの不活化が進むことが分かりました。人間の快適さも考えると、ウイルス対策に効果的な湿度は50〜60%、温度は22度前後といえます。
ウイルス対策に換気は効果ある?
冬場は寒いので暖房をつけて窓を閉め切りがちになりますが、暖房器具から出る一酸化炭素・二酸化炭素、部屋のちりやほこり、調理などによって空気は汚れます。汚れた空気が粘膜や気管を傷つけるため抵抗力が落ち、病気に感染しやすくなります。こまめに外から空気を入れ替えるのがのぞましく、頻度としては1時間に5〜10分の換気をするのが理想的です。
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恐ろしいノロウイルスを加湿と換気で撃退!
感染力が強いため毎年冬場になると猛威を振るって流行するノロウイルス。長く免疫が働かないため、何度でも感染する可能性があります。猛烈な嘔吐(おうと)や下痢といったつらい症状に襲われ、家族全員での感染や学級閉鎖も珍しくありません。そんなノロウイルスの拡大を防ぐための加湿と換気についてまとめてみました。
加湿器でもノロウイルスを除菌できる?
ノロウイルスの困ったところは、アルコールによる殺菌の効果がなく、人体に害のない殺菌が難しいことです。ノロウイルスを殺菌、つまり不活化させるための一般的な方法は、加熱あるいは次亜塩素酸ナトリウムのどちらかになります。除菌のできるタイプの加湿器については後述しますが、次亜塩素酸ナトリウムの入った専用液を使うものなどがあり、ノロウイルスの除菌にも効果的です。
患者がいればこまめな室内の換気は必須
ノロウイルスは、特に感染者の嘔吐物やふん便のしぶきから感染しやすいウイルスです。嘔吐物やふん便は直ちに適切に処理する必要がありますが、次亜塩素酸ナトリウムや使い捨てのペーパータオルなどを使って正しく処理しても、しぶきが空気中に舞うことがあります。処理後はしっかりと換気をし、うがいと手洗いを入念に行いましょう。
乾燥した環境ではノロウイルスが飛び回る!
乾燥している環境が恐ろしいのは、感染者の嘔吐物やふん便が乾きやすく、空気中にしぶきが舞いやすくなるためです。空気中に大量のノロウイルスが飛び回っている状態は二次感染により集団感染をもひき起こす最も危険な状態ですので、極端に乾燥した環境にならないように注意しましょう。カーペットや布団などの洗濯ができないものはスチームアイロンや布団乾燥機で加熱殺菌をするのが効果的です。
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仕事もしながら3歳の娘の育児を頑張る高齢ママです。
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