ジェンダー保育を行うメリットについて
3~6歳の幼い頃から、家庭や学校で男の子らしさと女の子らしさを大人から教えられたケースは、今まで少なくありませんでした。もちろん、大人に悪気があったわけではありませんが、現在は多様性を理解し、個人が尊重される時代になりつつあります。
子どもたちの将来を見据えると、ジェンダー保育には以下のようなメリットが存在します。
男の子・女の子らしさに縛られ苦しまなくてもいい
一口に男の子、女の子と言っても、彼らが持つ個性はさまざまです。性別によって物事を分けることをしないジェンダー保育を受けると、自分の選択や行動に自信を持ち、のびのびと育つことができるようになります。
多様な性や役割があることを理解できるようになる
ジェンダー保育は生物学的な性別と同じ性を持つ子どもはもちろん、心が男の子または女の子、あるいはどちらでもないというケースも、世の中には存在することを学べます。
つまり、生物学的な性別のみで判断しない教育を行うのです。そのため、子どもたちにとって、性は幅広い種類や役割があると理解することが可能になります。
ジェンダー論をおしつけない大人に成長する
ジェンダー保育を受けた子どもは、性別だけで区別したり、男の子・女の子らしさで人を判断したりすることが少なくなります。こうして育った子どもたちは、大人になっても他人やパートナーにジェンダー論を押し付けることはせず、個人を尊重できる心のゆとりが持てるようになるでしょう。
おわりに
性別とジェンダーの考え方は、日本において未だ発展途上中だと言えます。しかし、人間は千差万別で、性別やジェンダーのみで区別できない部分は大きいです。
そのため、「こうであるべき」というこだわりを穏やかにしたジェンダー保育は、今後ますます重要視されていくことでしょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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