親の働く姿というのは、我が子の目にはどう映っているのでしょうか?「かっこいい」「すごい」といった憧れなのか、それとも「ダサい」「かっこ悪い」といった幻滅なのか、親としては気になるところですよね。また親の働く姿や、職業に影響力はあるのでしょうか?親は子どもの将来を考えるものですから、知っておくと良いかもしれません。
この記事では、親の働く姿や職業が子どもにどう影響しているのか。それと共に子どもの将来についてはどのように考え、支援していくことが望ましいのかについて、お伝えします。
親の働く姿は子どもに影響している?
子どもにとって一番身近な大人が親となります。そのため親の存在は、子どもの将来に関しても、少なからず影響することが多いと言われています。ここからは、親の働く姿が、子どもへどのくらい影響するものなのかを考えて行きましょう。
親の仕事の充実度は子どもに影響する!
株式会社アイデムは、「子どもが親の働く姿に触れることと、キャリア感の関連性」についての調査を実施しました。その結果、「親の仕事が充実していると、子どもは将来働くことを楽しみにしている」という傾向になったというのです。親がやりがいを感じて仕事に従事していることは、見ている子どもにもやりがいが伝わっているということですし、将来の夢や理想像を描きやすいため、努力をする傾向にあるようです。
親の仕事の充実度が低い場合はどう影響しているか?
一方で、親の仕事の充実度が低い場合には、残念なことに「将来なりたい職業があるか」という問いに「ない」と子どもが回答する傾向があると言います。そしてこれは母親よりも、父親の職業に影響されることが大きく、父親の仕事があまり充実していない、あるいは無職である場合には子どもが将来の理想像を描きにくいという結果となったのです。父親は背中で語るというのは本当で、子どもはそれを見て育つわけなのですね。
例外もあります!野心溢れる子どももいる
ただし例外もあります。裕福でない家庭で育った子どもは、負けん気が強いところもあり、親が無職などであればなおさら、「自分自身がしっかりする必要がある」と、一層の努力をする傾向にあるとも言われています。裕福な家庭と対比し、彼らのような裕福さを掴むために自らのビジョンを早々に描いている場合も多く、有名大学に合格したり、大企業に就職したりと、親は周囲から「あなたの子どもがそんなところに行けたの?」と言われてしまうぐらいの大躍進を遂げることもあるのです。つまり、親の仕事の充実度は必ずしも影響しているわけではないとも言えます。
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親の職業は子どもにどう影響しているの?
蛙の子は蛙とは言いますが、果たして親の職業は子どもに影響しているのでしょうか?今さら自分の就いている職業を簡単に変えることは出来ないかもしれませんが、子どもにどう影響しているかは気になるところですよね。またその影響を把握することで、子どもの将来を見守るうえでも重要なポイントにもなってきますよ。
親の職業が子どもに影響している例はある?
例えば、歌手の森進一さんとその元妻である歌手の森昌子さんの息子には、人気ロックバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」のボーカリストである貴寛さんと、「MY FIRST STORY(マイファーストストーリー)」のボーカリスト寛樹さんがいます。2人は両親の血を受け継いだ影響もあるのか、歌唱力に優れ、音楽シーンを牽引しているほどの実力派だと言われています。彼らには生まれながらの才能もあるとは思いますが、父の楽曲が流れているような家庭で育ったということから、その影響が少なからずあったのではないでしょうか?
プロ野球選手の子どもは一番身近にいる父親が活躍している姿をみて「自分もプロ野球選手」になりたい!という憧れをいだくのです。また芸能界でも親が映画やテレビに出演していれば自ずと同じ道を選ぶこともあるでしょう。
家業だとなおさら影響力がある場合も
生まれながらにして才能を持っていなくても、例えば家が代々伝わる病院だったり、弁護士だったりした場合には、子どもへの影響力が強いと言われています。思い返してみれば、筆者の同級生にも歯科医の息子がいましたが、後取りとして日々学業に励んでいました。このように、皆さまの周りにも親と同じ職業に就くべく、日々努力をしていた方がいたのではないでしょうか?そして彼らは、恐らく親の仕事の充実度に影響されて、将来に向けて進んでいたとすれば合点がいきますよね。
親の仕事を継ぐことは子どもの将来の選択肢がないことの表れ?
ここで一つの疑念が浮かびます。子どもがよく見ているものに影響されるのだとすれば、歌手などの才能が必要なケースは例外にしても、医者や弁護士などといった家業は親が予め用意していた道となってしまい、子どもは初めから選択肢がなかったということになる場合も否めません。家業をしている多くの親は「子どもが選んだ道だから」と思うでしょうが、身近で見ていたものであったり、周囲の期待の目があったため、選ばざるを得なかったのかもしれません。そういうケースも、少なからず存在することでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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