子どもに姉妹格差を感じさせないためには?
子どものためを思ったつもりの言動が逆効果になることもあり、子育ては本当に大変です。またくらべるのはダメだとわかっていても、自然とやってしまうこともあるでしょう。
それでも「子どもが自信をもって社会に出て、まわりにも慕われる子であってほしい」と努力したいあなたへ、何を心がけたらよいのかをお伝えします。
子どものありのままを認めること
子どものできることだけではなく、できなかったこともありのまま認めてあげてください。ムリにどうにかしようとすると、できる姉や妹と比較して、やる気をたきつけたり、行動を制限しようとしてしまうからです。
子ども一人ひとり、できたことを十分に褒めてあげましょう。どんなことでもいいのです。できたことはできたと認めて、子どもにも、自分ができることを認識させます。また、できなかったことも認めて、子どもがどうするか様子を見ましょう。子どもが克服したいと思っているようであったら、親が全面的に協力するときです。
子どもは「育つ」と信じる
できないことをそのままにすると、「子どものためにならないのでは?」「甘やかしているだけでは?」などと、不安になる親もいるかもしれません。しかし子どもは育てるものではなく、「育つ」ものだと意識しましょう。
子どもは、自分の得意なことがわかれば伸ばそうとし、欠点が気になれば直そうと努力します。欠点が気にならなければ、得意なことを活かせるように育っていきます。親が子どもを育てようとコントロールしすぎると、親の言葉に影響されて生きていくことになりますので、注意してくださいね。
それぞれの子どもの個性を尊重すること
同じ環境で育った姉妹のすべてが、まったく同じ能力や性格を持っていることはとてもめずらしいことです。姉が得意なことは妹が不得意だということも多いですし、その逆もあります。だからこそ親は、それぞれの個性(長所)を大切にしましょう。
例えば、ひとつの基準のもとに、良い・悪いを判断するのではなく、さまざまな視点から多角的に見ることで、子どもを個人として尊重することが重要です。
おわりに
姉妹をくらべてしまうのは、ある意味では自然なことです。わかっていても、やってしまうこともあるでしょう。しかし親の言動が、子どもに悪い影響を与えることを十分に考えることが大切です。
「子どもが自信をもち、まわりに慕われるような人になってほしい」と願うなら、子ども一人ひとりを認めて、信じてあげてください。親が子どもを信じることが、子どもの絶対的な自信につながります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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