2020年から導入される新学習指導要領では、外国語の授業とプログラミングの授業の導入に注目が集まっています。特に小学校では今までよりも週45分の学習時間が追加されます。今でも授業時間が多い傾向があるのに、さらに1コマ増やすのは子どもの負担が心配ですよね。この記事では今回なぜ小学校の勉強内容が見直されるのか、授業日数を確保するために小学校側がどう工夫しているのかについて紹介します。
日本の教育方針は都度見直されてきた
戦後の日本の教育方針はそれぞれの時代に合わせ少しずつ見直されてきました。簡単に振り返ります。
~1970年代:詰め込み型
小学校をはじめとする日本の義務教育では、暗記などを中心にたくさんの知識をインプットさせる「詰め込み型教育」が行われていました。その結果、個人で考える力が育ちにくく社会に出てから必要となる思考力や発想力が低下したり、受験競争が加熱したりする傾向が強まったのです。また、知識を覚え混むのが苦手な人は勉強に遅れてしまい、いじめ不登校などの多くの問題が発生しました。
1980~2010年:ゆとり教育
過去の詰め込み型教育を反省し1980年代から徐々に教育改革が行われ、人間性や思考力判断力などを高めるために「ゆとり教育」に方針転換をしました。土曜日が休みになり学校が完全に週休2日制になり、総合学習として自分たちでテーマを決めて行われる授業などが始まりました。一方、理数系を中心とした学習能力が低下するなど多くの問題がありました。
2011年~:脱ゆとり教育
現在の小学校の学習指導要領は、2011年に改定されたものです。「生きる力」を育むことを理念とし学力だけでなくたくましく生きるための健康維持や体力作り豊かな人間性を育てることを目標に定められました。ゆとり教育の反省を踏まえ、国語、算数、理科、社会、体育などの時間が1割増加し、5、6年生では「外国語活動」の授業が導入されるようになりました。
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2020年~:国際社会でも対応できる大人に
2020年に学習指導要領が改定されると、小学校の授業数が足りなくなるといわれています。2011年に授業時間を増やしたのに、なぜ今回も授業時間を増やさなければならないのでしょうか。今回の改訂は国際社会で通じる人間を育てることが特に重視されているといわれています。改定のポイントを紹介します。
小学校3年生以降に外国語授業が導入される
外国語の科目が増える3年生以降では、週に1コマ45分の時間が増えます。3、4年生は「外国語活動」として聞いたり話したりすることが重視されています。一方、5、6年生は教科として英語を学び、読み書きなども追加されます。小学校で英語が必須になることで、中学校の外国語授業もスムーズに始められそうですね。
プログラミング授業で論理的思考を学ぶ
プログラミング教育は生活にインターネットが浸透してきてコンピューターに関する知識が不可欠になってきている時代背景も影響しています。しかし、単にパソコンでプログラムを作るという作業を覚えるというよりも、課題を論理的に解決するものの考え方を学ぶことが重視されます。小学校の場合は理科や算数の授業の一環として取り込まれることが想定されていて、プログラミングの授業として科目が増えるわけではありません。
話し合いやグループ活動も増えていく
国際社会で活動することを考えると、特に自分とは考え方の違う相手とも協力しながら物事を進めていく多様性への理解が重視されます。そこで国語や社会などさまざまな科目でグループ活動や話し合いをする授業を進めることが計画されています。
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30代後半のママライターで夫、5歳娘、3歳娘、2歳息子の5人家族です。セットメーカーで技術者として10年ほど勤務していましたが、出産と夫の転勤が重なり退職。実家から遠く離れた土地で生活しています。子育てのポリシーは毎日が面白ネタです。大変なこともありますが、日々ボケと突っ込みで乗り切っています。また、できるだけ家族が揃う時間が作ってコミュニケーションを大切にしています。よろしくお願いします!
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