広がりをみせるジェンダーレス社会。子どもにも大切な「LGBT教育」とは

ジェンダーレス教育の取り組み
ニュースなどで耳にする機会が増えた「LGBT教育」。性別に関する議論が盛んになり、日本もジェンダーレス社会の実現が望まれています。いま子育て中の私たちは、このLGBT教育をどう受け止めればよいのでしょうか?こちらの記事では幼児~小学生におけるLGBT教育の現状をご紹介。「そもそもLGBTQ+」って何?といった疑問にもお答えしますので、ぜひご覧ください。

いま注目が集まる「LGBT教育」

LGBTの教育
自分自身の生まれ持った性別に違和感がある人。あるいは、恋愛対象が同性である人などなど。ここ数年でメディアに登場する機会も増え、LGBTQ+をめぐる議論が活発になっています。また、性的マイノリティに対する差別も取り沙汰されていて、大きな社会問題となっています。大人だけの問題ではありません。10代、ひょっとしたらそれ以前の年齢の子供たちも、このテーマの当事者になるかもしれません。いま育児と教育の現場で注目されている「LGBT教育」について、考えみましょう。

そもそもLGBTQ+とは?

ここでLGBT教育をめぐる基本的なキーワードについて、その意味をおさらいしておきましょう。

LGBT

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった言葉。これらに該当する生徒達への理解を深め、きめ細かな対応を目指すのが「LGBT教育」です。

LGBTQ+

LGBTに新たに2つの文字を追加したもので、Qは「クエスチョニング」と「クィア」。LGBTのいずれにも該当しない人を意味します。そして「+」は前の5つの文字でも表しきれない、人類の多様性を示しています。セクシャルマイノリティを指す言葉としては、このLGBTQ+が主流になりつつあります。

ジェンダーレス

男女の性の境をなくすこと。生まれ持った性のイメージにとらわれないことも意味します。近年は中世的なルックスの「ジェンダーレス男子」が話題に。

ジェンダーフリー

既存の性の固定概念からフリー(自由)になること。男性だから・女性だから「こうすべき」といった役割にとらわれない生き方。

ジェンダーニュートラル

あらゆる性に対してニュートラル(中立)であること。どの性別にも肯定的でいよう、という前向きなニュアンスでファッション界などで頻繁に取り上げられています。

8割以上の大人がLGBT教育をすべきと回答

2020年に電通ダイバーシティ・ラボがLGBTQ+にまつわる調査を実施しています。20代~60代に「性の多様性」について学校で教えるべきかを聞いたところ、大多数の人がYESと回答。「教えるべき」と「できれば教えるべき」の回答を合わせると、その割合は88.7%に上りました。しかし実際に教育を受けた経験があると答えたのは、20代で24.5%、30代が12.8。40代50代は激減して6.1%でした。つまり 若い世代ほどLGBT教育を経験しているものの、まだまだ少数派。そして今、子育て現役世代である30代~40代の大多数は自身の学生時代、LGBT教育を受けていないのです。

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どうなってる?学校でのLGBT教育

選択の自由
さて、実際に子供たちが過ごす学校ではどのような取り組みがなされているのでしょうか?ここからは具体例を挙げながら各所でのLGBT教育、取り組みをご紹介します。学校独自でジェンダーレスを目指す取り組みを始めるケースもあり、注目です。

LGBT教育の現状と課題

日本はLGBT教育では後発国ともいわれていて、まだまだ本格的な教育に結び付いていないのが現状です。2017年、文部科学省は「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等 について」という通知を発布。これは性同一性障害の児童をめぐる相談の増加を背景とした取り組みです。服装やトイレといった生活面の問題、そして授業や課外活動で留意すべき点や外部機関との連携を定めています。しかし、これらは教育現場で起きている”問題への対処・対策”がメインです。「LGBT教育」という言葉から連想される、未来を担う子供たちにどう教え、ジェンダーレス社会を育んでいくのか…という点については、いまだ統一的な指導法やカリキュラムは存在しません。

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各学校ではどんなLGBT教育を実践している?

LGBTQ+をめぐる問題として、小学校ではトイレ、体育の授業での着替え、制服、プールの水着などが挙げられます。授業や課外活動など、幅広い活動が男女別で実施されているのが実情。こういった性別=男子か女子の二択という固定概念に対して、どういった取り組みがあるのでしょうか?比較的多くの学校で実践されているのは、出席番号を男女で分けない混合名簿の導入や、女子の体操着をブルマではなく男子と共通のハーフパンツにする、といったもの。ただし、どちらかというと男女平等の観点から実施されたもので、LGBT教育の一環とは呼べないかもしれません。

よりLGBTQ+に配慮した取り組みとしては制服の共通化があります。2019年、福岡県みやま市の瀬高小が制服のスカート・ズボンに選択制を導入。「標準服(制服)」と名付けました。愛知県豊川市の長沢小学校では、「みんなのトイレ」を設置。男女どちらでも利用できることが、1年生にも分かるプレートで示されています。こういった取り組みが全国に波及することに期待したいですね。

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