かつて人間が担っていた「短時間で多くの情報を処理する仕事」は、IT技術の発展によって自動化されるようになっています。これからを生きる子どもたちには「クリエイティビティ(創造力)」が必要です。
クリエイティビティとは特別な能力ではなく、日ごろからその力を意識して過ごすことで誰もが身に着けられる力です。ここでは、日常生活のなかでクリエイティブな子どもに育てるコツをご紹介します。
「クリエイティブな子ども」ってどんな子ども?
今、教育の世界では「クリエイティビティ(創造力)」を子どもに身に着けさせる重要性が説かれています。クリエイティブ、クリエイティビティという言葉から、アートや発明などの世界をイメージする方も多いかと思います。しかし、クリエイティビティが求められるのは、特別な世界だけではありません。
クリエイティブとは試行錯誤すること
「クリエイティビティ」とは「創造力」のことですが、アートや発明のように「無から何かを生み出す」という話に限ったものではありません。「目の前にある課題に対し、試行錯誤して解決に導く力」をクリエイティビティとよびます。
アートにおいても、アーティストは表現したことをかたちにするために、さまざまな方法を模索します。「やりたいことがあり、試行錯誤の末にやり遂げる」という過程は、アートの世界で生きる人以外にとっても大切な力です。
クリエイティビティは生きるために必要な力
かつて社会で必要とされた能力とは、知識や計算などを速く・正確に・多くの量をアウトプットする力でした。しかし、今ではIT技術を活用すれば、人間にそのような能力を求める必要はありません。
「人間がやること」と「コンピュータにさせること」の分業が明確になるなか、スピードや量、正確さといったものに代わり、人間に必要とされるのがクリエイティビティです。自分の希望や思いついたことを試行錯誤しながらかたちにするという過程こそ、新しい価値を生み出すもとになるからです。
しかし「クリエイティブな能力を持った子どもなんて、一部の特別な人間ではないか」と考える方が多いのではないでしょうか。じつは、クリエイティビティを育むことは誰にでも可能なのです。
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クリエイティブな子どもに育てる遊び
クリエイティビティは特別な能力ではなく、誰でも養うことができます。とはいえ、すぐに身に付くものではありません。クリエイティビティを育むには時間がかかります。子どもが小さなうちから、クリエイティビティを意識した取り組みを日常生活の中に取り入れてみましょう。
遊びの中でクリエイティビティを育む
子どものクリエイティビティは日々の生活の中で育むことができます。子どもが「すでにあるものから別のものを創り出す」「自分でいろいろと考えてみる」という体験をできるよう、親は意識することがポイントです。たとえば、以下のような遊びならお家の中ででも簡単に取り組めます。
ごっこ遊び
ヒーローやプリンセス、お店屋さんなど、何かの役になりきる「ごっこ遊び」は、子どものクリエイティビティを引き出すのにぴったりな遊びです。
その役になりきるためには、ストーリーを考えたり、小道具やコスチュームを用意したりしなければなりません。子どもには「家の中にあるものを使って、小道具や衣装を作ってみたら?」と働きかけてみましょう。子どもは大人では考えつかないようなものを使い、道具や衣装をつくります。
工作
折り紙や段ボール、粘土、クレヨンなどを使って何かを描いたり作ったりする遊びも、子どものクリエイティビティを豊かにします。できるだけ、パッと見ただけでは用途がわからず、子どもの創造力をかきたてるようなものを使うのがおすすめです。
子どもは親が思ってもみない物を遊びに使います。私の経験で言うと、子どもが4、5歳の頃、洗濯ばさみをいくつも組み合わせて、手足のある人形を作って遊んでいました。
ちょっとした時間でもできる言葉遊び
時間やスペースがなくても、クリエイティビティを引き出すような遊びはできます。「逆さ言葉」や「しりとり」「言葉集め」などの言葉遊びです。車の中や電車の待ち時間などで、道具もスペースも必要なく遊べます。
「逆さ言葉」は言葉を逆さに言う遊び。さかさに読んだ言葉の元の言葉を当てるゲームですが、単に言葉を逆さまに読むだけでも楽しいです。また「言葉集め」は「『あ』から始まる言葉」や「赤いもの」など、決まったテーマに沿って言葉を言い合うゲームです。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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