最近、環境大臣の小泉進次郎氏が、2週間程度の育休を取得すると表明したことが話題になりました。こういった背景もあり、今後は男性による育休制度が整っていくことが予想されます。
今回は、パパに育休をとってほしいと思うママはどれくらいいるのか、パパに育休が必要だと思う理由、パパが育休を取得してママはどう感じたのかなどについて、実際に行われたアンケートを参考にしながらお伝えします。
正直なところ、自分のパパに育休をとってほしい?
株式会社ベビーカレンダーが全国のママ3,239名を対象に、「パパと育休」についてのアンケート調査を行いました。すると興味深い結果の数々が浮彫りになったのです。あなたは正直なところ、自分の夫には育休をとってほしいと思いますか?自分なりの意見や考えが頭の中でイメージしながら、実際のアンケート結果を見てみましょう。
男性の育休取得に関しては8割のママが賛成!
「男性の育休についてどう思いますか?」についてのアンケートの結果では、約8割のママが「賛成/まぁ賛成」と答えました。
一昔前は「子育ては母親がするもの」というイメージも色濃くありましたが、最近では夫も子育てや育児に協力すべきという意見のほうが多くなっています。また共働きの家庭やワーママの普及にも、この結果は大きく影響していると言えそうです。
実際にパパに育休をとってほしいママは6割だけ
しかし、「実際にパパに育休をとってほしいと思うか?」という質問に関しては、6割のママが「とても思った(思う)/まぁそう思った(思う)」と回答しました。男性の育休に関しては必要だと思うけれど、実際に自分の家庭でパパが育休をとってほしいとは思わない方が、2割ほどいることになります。
パパに育休を「とってほしい願望」と「出来ない現状」とは?
実際にパパに育休をとってほしいか?という答えに「とても思った(思う)/まぁそう思った(思う)」以外の答えを選択した方の中には、
- 祖父母にサポートしてもらえるので、夫の育休の必要を感じない
- パパは自主的でないから、自分の負担が増える
- 帰宅後や休日のサポートで、十分だと思っている
といった理由で、パパの育休の必要性を感じていないと思っている方が一部みられました。しかし、ほとんどのママは「本音を言うと育休をとってほしいけれど、現実的に考えて出来ない」と葛藤を抱えた上で「実際に自分の家庭でパパが育休をとってほしいとは思わない」と答えているようなのです。
現実的な理由としては、会社が育休に前向きでない、収入の減少などが多くを占めていました。実際に育休を取得するとなると、育児休業給付金などが支給されますが、通常時の給料と比べると半分近くダウンしてしまいます。子どもが出来ると出費が増えるにも関わらず、さらに給料がダウンすることに不安を感じてしまうのは無理もないでしょう。
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ママが考える「パパに育休が必要な理由」
昔は男性が育児に参加するということは、あまり考えられないことでした。また、男性が育児に参加することを、快く思わない女性も多かったといいます。ところが、現代女性の8割が男性は育児に参加するだけではなく、育児のために仕事を休む育休を、「必要だと思う」と回答しています。現代のママが、パパに育休が必要だと思う理由は何なのでしょうか?
パパが育児や家事に参加することに意義がある
ママは、家事や育児の用事を手伝ってくれるだけで、本当に助かるものです。赤ちゃんが小さなうちは話し相手もいないので、パパが話し相手になってくれることで気分転換になることもあるでしょう。しかし、ママがパパの育休に対して求めていることは決して物理的な人手だけではなく、「パパが育児や家事に参加すること自体に意味がある」と考えている方も多くいます。
つまりパパが育児や家事に参加することで父親としての自覚を持ってくれて、家庭を大切にしてくれるようになれば、子どもの幸せや家庭円満につながると多くのママが感じているからです。
金銭的な余裕があっても外部サービスには頼みたくない
「パパが育児や家事に参加することに意味がある」と多くのママが考えているということは、同企業が行った「金銭的な余裕があれば、パパの育休は不要?」という回答数からも、うかがい知ることができます。
アンケートによると、「あまりそう思わない」37.0%、「まったくそう思わない」25.2%と約6割のママが金銭的な余裕があっても、パパの育休は必要と考えています。物理的な人手がほしければ、家事や育児に対して素人同然であるパパではなく、外部の専門サービスにお願いする方が楽ですからね。ママの声をみると、お金に余裕があっても父親として育児に参加することが大事であること、外部に依頼することで父親の自覚をもってもらえなくなること、などの意見がありました。
パパの育休を成功させるには?
いくら育休を取得したとしても、パパとママで育休の目的がズレていると、ママをサポートするどころか負担をかけてしまうことにもなりかねません。パパが育休を取得することが決まったら、あらかじめパパには「上手くできなくても大丈夫だからね。子どもや家族と触れ合う時間があることが何より大切なんだよ」などと伝えておくことが大切です。そうすることで、パパも自主的に育児や家事を手伝いやすくなりますし、ママが意図としている育休の目的も組んでくれることでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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