三人の子育てをしながら2015年保育士資格を取得し、モンテッソーリの保育園に勤務。 リトミックや全身を使ったアートなどが得意。自身の子育て経験を生かしながら、保護者の気持ちに寄り添った保育を目指している。保育記事監修者プロフィール:池田美樹 先生
近年、国や行政を挙げての、保育士の労働環境の改善が行われたことにより、以前よりも保育士が働きやすい環境が整いつつあります。その影響もあってか、保育士へ就職を希望される方も増えてきています。しかし、根本的な仕事内容が変わるわけではないため、体力的にきつい仕事に変わりはありません。
また実際に、保育士は何歳まで働くことができるのでしょうか?ここでは保育士の定年がどれくらいなのか、定年まで無理なく働く方法についてご紹介します。
保育士の定年は60歳が一般的
一般の企業や公務員と同じく、保育士にも定年制度があります。公立や私立の保育園や幼稚園によって勝手は違いますが、どの園もひとつの区切りで60歳を定年としているところが多くあります。しかし、最近では年金の受給年齢引き上げなどの理由により、65歳を定年としている保育園や幼稚園、60歳を過ぎても保育士として働ける制度なども登場してきています。
公立の保育園や幼稚園で定年後の保育士が働く場合
公立の保育園や幼稚園で働いている保育士は、地方公務員と同等の扱いになりますので、公務員と同じく定年を60歳としています。60歳を超えて保育士として働くためには「再雇用制度」を利用し、雇用の延長を申し出る必要があります。再雇用制度を利用すれば65歳まで保育士として継続して働くことができます。
私立の保育園や幼稚園で定年後の保育士が働く場合
公立以外の保育園や幼稚園で働いている場合、経営自体を園や法人が行っているため、公立の園のように必ずしも定年が60歳というわけではありません。私立であれば、65歳以上でも保育士として働ける園もあります。
私立の保育園や幼稚園で定年を超えて保育士として働く場合は、再雇用制度を利用する方法や嘱託社員として契約を延長する方法があります。これも園によって方法は少しずつ変わってきます。
保育士は長く続けられる職業のひとつ
保育士は定年後の65歳以上でも働けるため、随分と長く続けられる職業でもあると言えます。また、60歳を超えて保育士を希望されている方も年々増えつつあるようです。厚生労働省が2012年度から2016年度にかけて行った調査の結果によれば、60歳以上で保育士を希望する新規の求職者数は2012年の2325人から2016年には3494人へと着実に増加しています。そのため、今後もどんどん増加してくことが予想されるでしょう。
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保育士は定年まで無理なく働けるの?
気になることは、60歳近くになっても、重労働と言われる保育士の仕事を無理なくこなせるのかということでしょう。体力的にも精神的にもきついと言われる保育士の仕事です。定年まで働けるだけでもすごいことだと思ってしまいますが、定年を超えてからも無事に働けるのでしょうか?
実は、後期高齢者を超えても保育士として働いている方も中にはいます。現に、栃木県の「小俣幼児生活団」では、90歳の主任保育士が現役で働いているそうです。90歳以上で保育士をされているなんて驚きですよね。彼女のように、定年を超えても無理なく保育士として働き続けるには、どうすればいいのでしょうか?また、保育士として安心して定年まで働く方法はあるのでしょうか?
長年仕事をしていると要領やコツが分かってくる
長年ベテラン保育士として働いている方は次第にコツや要領が分かってきます。1年を通しての園の動きや行事予定、どんなタイプの子がいるか、保護者への接し方など、今までの経験から柔軟に対応できるようになります。ベテラン保育士になればなるほど、力の入れどころとセーブのしどころを自分でコントロールするのが上手になってくると言えるでしょう。
保育士同士で分担し、カバーし合うことも必要不可欠
どんなに経験を積んでも、どうしても身体がついていかない業務もあります。子どもと走り回ったりするのは体力的に厳しいでしょうし、行事のための製作などは老眼が進行すると難しい場合もあります。
そんなときには、仲間の保育士達とカバーし合うことも大切です。それぞれの得意な分野を生かしながらお互いにサポートし合うことは、定年後も保育士が働きやすい環境をつくる大切な要因です。
担任を受け持たないという選択も
体力面に不安を感じたら、担任を持たないという選択肢もあります。担任は子どもたちの保育をメインで受け持つのはもちろんのこと、指導計画案やお手紙の作成、行事の準備、保護者対応など、体力面・精神面でも重労働です。定年が近くなってきた頃は担任を受け持たずフリーになったり、補助の先生としてサポート役に回ったりという方法もあります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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