子育ては大変ですが、家族や知り合いが近くにいると、いざというときに頼れてとても助かりますよね。しかし、最近では周りに知り合いがおらず、つながりのない土地で子どもを育てる「アウェー育児」を経験する人が増えているとされています。アウェー育児は母親にとって、大変深刻な問題です。今回は、アウェー育児の特徴や問題、解決策についてご紹介します。
アウェー育児にはどんな特徴がある?
まず、アウェー育児についてどのような特徴があるかをまとめていきましょう。アウェー育児を経験する人は意外と多いので、アウェー育児をするかもしれない方や、今はまだ育児をしていないという方でも、将来のために知っておくのがおすすめです。
結婚や夫の転勤がきっかけでアウェーになる
アウェー育児とは、つながりのない場所で育児をすることを指します。例えば、結婚して夫の地元へ引っ越したり、夫の転勤についていったりすることで、アウェー育児になってしまうことが多いようです。また、自分になじみがある土地でも親戚などの頼れる人が引っ越してしまうことで、アウェー育児になってしまうこともあります。このように、自分の意図しないうちになるのがアウェー育児の特徴の一つです。
半分以上のママがアウェー育児をしている
ある調査によると、自分が育った市区町村から離れた場所で子育てをしているママは、なんと7割もいるというデータが示されています。さらに首都圏に限って調査をすれば、8割を超えるのではないかともいわれています。つまり、アウェー育児は、誰でも体験する可能性が非常に高いのです。今は結婚や出産の予定がない方でも、いずれは自分もアウェー育児を経験する可能性があるかもしれないことを考えて、今のうちに問題や解決策を知っておくことが大切だといえます。
出産後にアウェーを感じる人が多い
妊娠中に過ごす場所と出産後に過ごす場所はほとんどの場合同じだと思いますが、アウェーを感じるのは出産後が多いそうです。なぜなら出産すると仕事をしないことが多いため行動範囲が狭まり、自分のすぐ近くの世界に目がいくからだそうです。改めて、知り合いが少なく近所とのつながりもなかなかないことに気がつき、アウェーの場で育児をしていることを実感するといわれています。
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アウェー育児で出くわす問題は?
育児は、かわいいわが子と一緒にいれて幸せな反面、大変なことも出てきます。また、アウェー育児の場合、さらに問題が出てきてしまうこともあります。そこで、アウェー育児ならではの問題についてまとめてみました。
気軽に子どもを預けられる場所がない
アウェー育児では周りに家族や知り合いがいないため、子どもを預けられる場所がないというデメリットがあります。子どもがいたら基本的にいつでも一緒ですが、好きなアーティストのコンサートに行ったり、ちょっと息抜きにショッピングをしたりするときに、子どもを預けられれば便利ですが、アウェー育児の場合は簡単にそうはいきません。ベビーシッターなどに預けるという方法もありますが、お金がかかってしまうなら「我慢しよう」という人が多いのではないでしょうか。
子育てについての不安でいっぱいになる
子育てをしているとつい、「こんな育て方でいいのかな」「他の人はどうしているんだろう」という不安でいっぱいになることがあります。そんなときには誰かに相談できればいいのですが、アウェー育児だと家族、友人などの相談相手がいないため、ため込むことになってしまいます。最近はLINEやメールがあるので、遠方の人に相談することも可能ですが、いつも相談するのは気が引けてしまいますよね。そのため、アウェー育児では相談相手がおらず、精神的に疲れてしまうのです。
子育てに関する情報が入ってこない
子育てをしていく上で、情報を仕入れることはとても大切です。「あの保育施設が良いらしい」「このイベントではためになる知識が仕入れられる」など、子育てに関する情報にはキリがありません。ネットでもある程度調べられますが、やはり人から入ってくる情報はよりためになりますよね。しかし、アウェー育児なら教えてくれる人もいないので情報不足になってしまい、良い情報を得ることが難しくなります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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