子どもを保育園に預けている場合、全員が信頼あって気持ちよくいられれば理想的ですね。しかし時には保護者と保育園との間で意見が違うことがあるでしょう。適切な要求はしたほうがよいですが、度を超えたものはクレームと言われても仕方ありません。ここでは保育園側から見て、こんなクレームは困る!という事例を紹介します。自分に心当たりがないか気を付けるきっかけにしてみてくださいね。
保育園へのクレームは増えてきている
全ての園が同じようにクレームを受けているわけではありませんが、最近は保育園へのクレームが増えてきている傾向があります。
少子化で他者と関わる機会が減った
クレームが増えている原因の一つとして、子育ての話ができる他人と関わる機会が減ってきていることが挙げられます。職場の同僚と子育てについて話すことはあるかもしれませんが、同じ保育園に通っている保護者同士で話す機会は少なくなっています。クレームの内容は、同じ問題に直面している保護者同士で話しあうと自然に解消できたことかもしれません。
保護者が「お客さま」になっている
金銭的な部分で見ると、保護者は保育園にお金を払っていて、保育園側も保護者に丁寧に接してくれます。そのため自分たちはお客さまであり、自分たちから何か要望をしても聞いてもらえるような気になっているかもしれません。クレーム内容も過保護すぎるのではと思える内容のこともあります。
近隣からクレームがあることも
保育園のクレームは保護者からだけではありません。うるさい、危ないなど近隣からクレームを受けることもあります。
- 園庭で拡声器を使うと、うるさいので使わないでほしい。
- 土曜日、早朝は大声を出されたくないので室内遊びを多めにしてほしい
- 退園途中の子どもが道路をふらふらしているので危ない
場合によっては保育園である以上仕方がない部分をクレームにされてしまうこともあります。保育園は近隣や保護者の板挟みになって苦労している部分もあるのです。
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こんなのは困る!保護者からのクレーム事例
ありえないクレームとはいったいどのようなものなのでしょうか。ここでは具体的に保育園が理不尽だな、と感じているクレームの一例を紹介します。
病気やけがを100%防いでほしい
- 仕事が休めないから風邪をもらわないようにしてください
- かゆがってかわいそうだから蚊にさされないようにしてください
- 転んだりたたかれたりすると傷になるので常に見守っていてください
保育園は集団行動である以上病気やけがをすることがあります。お友達とのトラブルも100%防ぐのは難しいでしょう。しかしクレームを出す保護者はこれらのトラブルを完全に防いでほしいと要望してしまうのです。
自分の子どもを中心に考えてほしい
- うちの子はかわいいので発表会で劇をやるときは主役にしてください
- 朝は忙しいのでオムツ替えと朝食は保育園であげてください
- お着替えをするのは構いませんが、汚れたものは洗濯しておいてください
このような要求は自己中心的と言わざるを得ません。保育園は保護者に代わって決められた時間の保育をしているのであって何でもやってくれるわけではありません。保護者が自分の家の問題を自分たちで解決できなくなっているのかもしれませんね。
保護者同士のいざこざを持ち込む
- 席替えをするときは仲のいい子を近くにしてほしい
- ○○ちゃんの親とは教育方針が合わないので一緒に遊ばせないでください
健康上の配慮などで特別な対応をすることはありますが、基本的に保育園の子どもたちはみな平等です。「教育方針が保護者同士で違うから」、「あの家庭とは以前もめたので」など、保護者が勝手に線を引いて保育園での対応を指図するのはルール違反です。子ども同士は仲良くしているのに意図的に引き裂くようなお願いを親はしてはいけないはずです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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