小学校といえば1学期~3学期の3学期制が常識かもしれません。しかし、通常の3学期制を廃止して、2学期制を導入している学校や地域もあり、さまざまな教育効果があるといわれています。2学期制とは具体的にどのような制度なのでしょうか?今回は2学期制の概要や3学期制との違い、そして2学期制のメリットなどをご紹介します。
2学期制とは?3学期制とはどう違う?
これまで国内の多くの学校では3学期制を採用してきました。1年を三つの学期に分け、夏休みと冬休みを挟んで次の学期に移行します。これに対して、1年を二つの学期に分ける2学期制が、一部の小中学校で導入されています。
2学期制の年間スケジュール
年間のスケジュールは学校によりさまざまですが、こちらでは東京都渋谷区の小学校における、2015年のスケジュールを例にご紹介します。(注:1学期=前期、2学期=後期)
前期(4月6日~10月7日)
秋休み・休業日(10月8日~10月12日)
春休み(3月26日~) |
3学期制では夏休みと冬休みを境に学期が変わるのに対し、2学期制は10月上旬の秋休みを境に学期が変わるのが特徴です。
2学期制の実施状況は全体の約2割
2学期制を採用している学校は、全体でどれくらいあるのでしょうか?
小中学ともに約2割、8年間ほぼ横ばい
文部科学省が2015年に発表した調査によると、2学期制を実施率は小学校で20・6%、中学校で19・6%の結果です。小学校に絞ったここ8年間の変遷をみると、2007年の導入率は20・2%。その間、微妙に増減していますが、急激な変化はないようです。
2学期制を導入している学校は?
2学期制を導入しているエリアについて、詳細にまとめた調査はありませんが、政令指定都市の導入が目立ちます。宮城県仙台市では2002年に、全国にせんだって公立小学校における2学期制を全面導入。また、千葉県千葉市は2004年以降、全面的に2学期制化。その他、神奈川県横浜市、京都府京都市などでも2学期制が広く採用されています。
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2学期制のメリット・デメリット
同一県・同一市内でも2学期制の学校と3学期制の学校が混在している現状があります。進学を控えたお子さんを持つパパ・ママとしては、どちらの制度がより良いのか、気になりますよね。2学期制の長所・短所をまとめました。
2学期制のメリット
2学期制の主なメリットは次の通りです。
授業時間が多く取れる
2学期制では始業式と終業式の回数、そして付随する勉強以外の活動が減ることによって、授業にあてられる時間が増えます。
長期休みの前後の時間を有効活用できる
3学期制の学校の場合、休み明けは面談やクラス内の係の決定など、さまざまなイベントがあります。一方、2学期制の場合は休み明け同じ学期が続行するため、ゆとりを持って過ごすことができます。
イベントがかぶりにくい
3学期制では学期の変わり目に部活動の大会などがかぶってしまうことが少なくありません。2学期制ではこの点を解消できるといわれています。
2学期制のデメリット
2学期制の主なデメリットは次の通りです。
課外活動が減る?
教育時間は増えたものの、課外活動などで自然や地域に触れ合う機会は減ったとする学校もあります。
保護者と学校の連携が取りにくい
学期ごとに行われる通知表の配布、個人面談の回数が減る分、保護者からは学校での子どもの様子がみえにくいとする声が寄せられています。
学習意欲が下がる?
一つの学期が長いため、勉強のモチベーションを維持するのが難しいとする声や、長期休みを有効活用できないとする意見があります。
メリット?デメリット?結局どちらが多い?
2学期制にはメリット・デメリットどちらもあります。一概によしあしは決められませんが、ポイントは次の3点です。
- 始業式・終業式が1回減ることの影響
- 学習時間が伸びることの影響
- 学期の途中に長期休みが入ることの影響
それぞれにいい面・悪い面があり、生徒によって合う・合わないも違うことでしょう。「制度がどうあれ頑張る子は頑張る」という意見もあります。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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