香典は、霊前にお供えする金品のことです。皆さまも、一度は香典を渡す機会があるでしょう。しかし、めったに機会がないだけにいくら入れたら良いのか、どう渡せば良いのかなど知らないことがたくさんあるのではないでしょうか?今回は、香典について基本的な知識やマナーをまとめました。いつ機会が来ても良いように、学んでおきましょう。
香典に関する基本的なマナー
香典について何となくは知っていても、いざその機会が来るとどうしたらいいか分からず、戸惑ってしまう方が多いことでしょう。まずは、香典に関する基本的な知識をまとめていきます。基本的なことだけでも知っていれば、いざというときに安心です。
香典ってそもそも何?その意味とは
香典とは、霊前にお供えする金品のことを言います。かつては、線香やお米を供えていたこともあったようですが、今ではお金にかわっています。遺族を経済的に助けるという意味があり、香典はお金を包む入れ物が決まっていたり、表書きの内容を宗派によって変えなければいけなかったりといろいろなルールがあります。つまり、そのときの状況によって、香典の渡し方を変えなくてはいけないのです。
香典は何に入れたらいい?どこで買える?
香典は、香典袋と呼ばれるものに入れます。不祝儀袋と呼ばれることもありますね。宗派によって異なりますが、基本的には白の袋に黒と白の水引がかかっているもので、誰でも一度は見たことがあるでしょう。香典袋は、コンビニやスーパーなどに売られています。そのため、急な訃報でもすぐに手に入れることができます。ちなみに熨斗(のし)袋は香典袋と似ていますが、お祝い事で使う袋ですから、絶対に間違えないように注意しましょう。
香典はどのタイミングで渡したらいい?
香典を渡すタイミングとしては、通夜や葬式、告別式があります。いずれにも参加する場合は、一度だけ渡せば問題ありません。会場に受付が用意されている場合が多いので、そちらに行ってお悔やみの言葉を述べながら渡しましょう。ふくさの上に香典袋を置いて、受け取る側が文字を読める向きにして差し出すのがマナーです。少し渡し方が特殊なので、事前に練習しておくと安心ですね。
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香典のお金の入れ方や表書きのマナー
香典は、ただ香典袋にお金を入れて渡せばいいわけではありません。お金の入れ方や香典袋の表書きにも決まりがあります。次は、香典袋にお金を入れる際に知っておくべきマナーについてご紹介します。少し難しいかもしれませんが、頭に入れておきましょう。
宗派によって表書きの内容を変える
香典の表書きは、宗派によって変えなくてはいけません。仏式の場合は「御霊前」や「御香料」、神道なら「御玉串料」や「御榊料」、キリスト教なら「御花料」と書くのが一般的です。しかし、無宗教の場合や、その家の宗派が何か明確に分からないこともあると思います。その際は「御香料」、「御香奠」と書くのがおすすめです。表書きの仕方を間違えると失礼に当たる場合もあるので、十分気をつけましょう。
お札の向きは裏向きでそろえて入れる
中袋にお金を入れるとき、お札は裏向きにしましょう。お札に書かれている人物の顔が見えない方が裏側です。香典袋によっては中袋がない場合もありますが、袋を開いたときにお札の顔が見えないようになっていれば大丈夫です。また、お札を2枚以上入れるときには、そろえて入れるのもマナーです。お札の向きやそろっているかどうかを気にする人もいるので、配慮するのが望ましいと言えます。
お祝い事とは違い新札は避けるのがベター
結婚式などのお祝いの場で渡すご祝儀では、新札を包むのがマナーです。しかし、香典の場合は訃報を予測して準備していたような印象を与えてしまうので、新札は避けるのが一般的です。もし新札しか手元にない場合は、一度折るなどして工夫しましょう。新札を避けた方がいいとはいえ、破れたり欠けたりしているお札を使うのは失礼に当たってしまうので、程よい状態のお札を選びましょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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