皆さまは「卒対」という言葉をご存じでしょうか?年々減っているといわれている卒対ですが、地域や学校によっては根強く習慣が残っています。
「卒対ってどんな仕事?」「卒対に選ばれたら、どんなことに気を付けるべき?」など、保護者間のトラブルに巻き込まれてしまわないためにも、事前に内容をチェックしておきましょう。
卒対ってどんな仕事?決め方はどうしてる?
「卒対という言葉、初めて聞いた」「卒対やってといわれて、安易に引き受けてしまった」。そんなママには、卒対の中身がまったく想像できませんよね。最初に卒対という言葉の意味や、卒対が行うべき仕事の中身をご紹介します。
そもそも卒対って何を略した言葉なの?
卒対とは、幼稚園や保育園、小学校の卒園、卒業に携わる仕事です。卒業対策委員の略で、卒対委員と呼ばれることもあります。幼稚園や保育園の年長児になって、初めて存在を知りびっくりしたという方も多いですよね。
働くママが増えていることもあり、卒対ではなく先生たちが仕事を負担したり、卒業のイベントを行わなかったり、という園や学校も増えている現在。それでも、特に私立幼稚園や私立小学校を中心に、手の込んだ卒対の仕事が求められているケースがみられます。
卒対は絶対にやらなければいけないの?
「卒対の仕事、できれば避けたい」と考えるママは多いものですよね。この卒対、絶対に引き受けなければいけないのでしょうか?卒対の制度がある多くの園や学校では、クラスから2~3人が選出される例が多いようですが、絶対にやらなければいけないわけではありません。
しかし、卒対の一員として、声をかけられやすい人もいます。「仕事をしていない・仕事時間が短い」「役員などを引き受けた経験がある」「頼まれごとを断れない性格」など、このようなタイプのママから、順番に声をかけられるケースがあるようです。また、子どもが2人、3人いる場合も、「一度くらいはお願い」と、卒対メンバーに入れられる傾向があるともいわれています。
知っておきたい!卒対が行う仕事
それでは、卒対を引き受けることになったら、どんな仕事が待っているのでしょうか?園や学校によっても違いますが、卒業式は先生たちが、それ以外の卒業に携わること全般が卒対の仕事、というケースが多いでしょう。
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卒対が行う仕事は主に三つある
卒対の仕事は、大きく分けて三つあります。それは、卒園・卒業アルバム制作や謝恩会の準備、記念品選びです。これらの詳細を、以下にご説明します。
卒園・卒業アルバムの制作
園や学校を卒園、卒業する時、卒園アルバムや卒業アルバムをもらうのが一般的ですよね。このアルバム、園や学校が制作していると思いがちですが、学校によっては卒対の仕事なのです。中には、卒業アルバムとは別に、先生へ贈るためのアルバムを制作する例もあります。
アルバムへ使用する写真選び、表紙や中身のデザイン、個人のページなどをまとめるだけでなく、印刷会社とのやり取りまでが仕事に含まれるため、慌ただしく時間が過ぎていくでしょう。「よいアルバムを作ろうと思うと、予算がかかり過ぎてしまう」。そんな金銭面も、頭を悩ませる問題です。
謝恩会の準備って何をするの?
卒園や卒業のタイミングで、謝恩会を行う園や学校があります。「謝恩会って何?」という方もいると思うのですが、その中身はそれぞれで、共通しているのは、子ども、先生、保護者が参加することです。謝恩会は、園や学校内のホールを利用するのか、外の施設を借りるのか。食事会を行うのか、イベントだけにするのかなどの計画から、先生への贈り物は何にするのかなどという問題まで考えることになります。
記念品選びも卒対の大事な仕事
卒園記念や卒業記念に記念品をもらった経験がある方も多いことでしょう。これも当然学校からだと思いがちですが、この記念品選びや手配も卒対の仕事。前年度や前々年度とかぶらないように考えたり、予算の中でたくさんの子どもや親が喜ぶ記念品を探したりといった作業をするのです。
記念品は、ギフトショップなどでまとめて注文できますが、名入れにする場合は間違いのないように注意して確認したり、納期やラッピングに問題がないかチェックしたりなど、細やかな気遣いが求められます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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