一時保護所に入所するまでの流れなど
最後に、一時保護所に入所するまでの流れなどについて解説します。入所の際は、いきなり一時保護所の職員に連れていかれてしまうというイメージが強いかもしれませんが、実際はそうではありません。
一時保護についての説明を子どもが納得出来るようにする
まずは、一時保護される前に子どもに対して「今から一時保護される」という事について詳しく話をします。
子どもの年齢によっては、どのような場所に行くのか、なぜ保護する事になったのかといった内容を説明し、子どもが納得して一時保護所へ行けるように導きます。
まだ幼い子どもの場合は、体を休ませる事を最優先にし、徐々に施設に慣れてもらうという流れのケースもあります。
実際に子どもを保護するまでの流れ
子どもを一時保護するかどうかは、児童相談所の所長が決定する事になっています。
しかし、一方的に無理やり保護するというのではなく、子どもと保護者になるべく同意を得た状態で保護する事が望ましいとされているのです。
子どもの一時保護が決定したら、子どもの権利擁護の観点から、子どもと保護者に一時保護の理由や目的、予定される保護の期間、入所中の生活などを丁寧に説明し、一時保護を行う場合の手続きに同意を得ます。
私物の持ち込みに関してはケースバイケース
一時保護所では、多くの子どもが携帯などの連絡手段を断つというイメージがあるかもしれません。
しかし、これはケースバイケースです。可能な限り子どもが安心できる環境を提供するという観点から、心理的に必要な大切なものに関しては所持できるように配慮がされています。
しかし、保護した時の状況によっては、児童相談所の所長が保管しておくケースもあります。
おわりに
一時保護は、児童相談所の役割の1つであり、子どもが安全な環境で成長できるように支援するものです。不自由なイメージがある一時保護所ですが、時代の流れと共に子どもにとって快適に過ごせる場所を提供できるような仕組みが、日々検討されています。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。