機能不全家族の特徴から対処法を考える
最後に、機能不全家族の特徴からどのような対処をしていけば、健全な状態へ移行する事が出来るのかを見て行きましょう。
機能不全家族への対応は、単発的に行ってもあまり効果がありません。長期的な視点で問題点を挙げ、適切な対処法を取ることが重要です。
親自身の抱えている悩みに向き合う
機能不全家族の場合は、親自身も悩みを抱えていることが多いと言われています。しかし、その悩みを親自身が自覚していない場合がほとんどです。
そのため、自分の抱えている問題を、子どもをコントロールする事で無意識に解消しようとしている可能性もあるのです。
これに対処するためには、親自身の根本の問題に目を向ける必要があります。
条件付きの愛情ではなくそのままを受け入れる
機能不全家族の中で育った子どもは、感じた事を素直に表現するのを常に制限されており、気づいた事を自分の言葉で伝えるのが難しいケースが多いです。
そのため、まずは、子どもの素直な気持ちを良い悪いに関わらず表現させ、その答えに対して愛情を向けてあげることが重要になります。
他者と比較するのではなく素直な意見に耳を傾ける
機能不全家族の親は、他の子どもと比較して自分の子どもを攻撃するパターンがめずらしくありません。「○○ちゃんはしっかりしているのに、あなたはなんで出来ないの?」というような、常に誰かと比較されて欠点を指摘される環境は、子どもにとって非常にマイナスになります。
そのため、他人ではなく、子ども自身の素直な意見に耳を傾けることを意識しましょう。
おわりに
機能不全家族の中で育った子どもは、本来の子どもらしさが失われてしまっている事が多いので、早めに対処する必要があります。
そのためには、子どもに対してだけではなく、家族全体に対してアプローチする姿勢が重要です。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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