こども家庭庁が関わることのできない業務もある
こども家庭庁は、子どもに関わる支援や対策などを総合的に担う機関として創設されますが、中には従来の機関から移管しない業務もあります。従来の機関が担当を続けるものとこども家庭庁が新たに担うものを区別し、理解しておきましょう。
幼稚園などを所管することはできない
こども家庭庁は子どもの成育に関することに関わることはできますが、幼稚園や保育所、認定こども園を所管することは業務外になります。当初はこれらの機関も所管する考えで動いていましたが、結果的には文部科学省が引き続き所管することが決まりました。
学校のいじめ対策も担うことが不可
学校のいじめ対策に関しても、こども家庭庁は直接的に担うことができません。しかし、いじめを受けた子どもに対して相談体制を整えるなどの支援をすることは可能です。いじめ対策に関しても、今までどおり文部科学省が担うことになります。
こども家庭庁独自の新しい政策の導入案も検討中
こども家庭庁は、移管された仕事以外は直接的にはできないと思っている方もいるでしょう。しかし、実際にはこども家庭庁独自の新しい政策導入も検討段階にあります。例えば、子どもに関する仕事に就く人の性犯罪歴を調べる「日本版DBS」や子どもの死亡例を検証し、予防につなげる「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」などの取り組みが期待されているのです。
おわりに
子どもの問題は家庭だけではなく、国も支援しながら彼らの心身の健やかな成長を見守っていくことが重要です。子どもの養育を特定の人にだけ押し付けずに、国全体で考えていくためにも、こども家庭庁の役割は大きいものになると言えます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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