近年、「共学化」する私立中高学校が増えている傾向があります。それは共学校には根強い人気があるからだと考えられています。しかし、男子校や女子校といった「男女別学」の学校には、共学校にはないさまざまなメリットがあることも注目されていることも見逃せません。男女別学のよい点を、「学業」「個性」「生きる力」の三つに分けて考えてみました。
男女の性差を利用した教育で成績アップ!
「男の子は空間記憶能力の発達が早い」「女の子は言語能力の発達が早い」など、男の子と女の子の発達には速さや順序の違いがあります。そのような男女の性差を考慮した教育で子どもたちの能力を引き出し、名門校と呼ばれている男女別学の学校が多数存在します。
東大合格者の出身校は別学が多い
子どもの高校選びの際、志望する学校の進学状況は親御さんが重要視する情報の一つだといえます。その中でも、最高峰である東京大学への進学者が多い学校は憧れますよね。2019年東京大学合格者 出身高校のランキングをみてみると、合格者数トップ10校のうち男子校が7校、女子校が1校、男女共学校が2校となっています。実に10校中8校が男女別学の中高一貫校です。このことからも男子校には男の子の、女子校には女子の成績の伸ばし方ノウハウがつまっていることが推測されます。
勉強へのアプローチ方法が男女で違う
男の子と女の子では、体はもちろん心の発達の仕方や脳の使い方が違います。そのため勉強に関しても、理解するための道筋が違います。例えば、首都大学東京や中央大学などの研究チームが発表した、中学生の第2言語(英語)の習得に関する研究によると、英語の聞き取りを理解する際、男子は素早く文法的に正しいかどうかを処理しながら理解していく傾向があることに対して、女子はことばの音や意味、文全体からわかる情報を処理しながら理解していく傾向があったといいます。このように知識習得の際の、脳の働きにも男の子と女の子では違いがみられるのです。それらを考慮した授業や指導であれば、男女別学の方が効率的に実行していけそうですね。
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学校でのびのびと過ごし個性を発揮しやすい!
思春期の子どもたちは、必要以上に異性からの視線を気にします。「かっこ悪い」や「かわいくない」などと思われたくないがゆえに、自分で個性を殻に閉じ込めてしまうこともあります。一方で男女別学であれば、同性の友達ばかりなので、思う存分個性を発揮できる環境だといえるかもしれません。
異性の視線を気にせず「オタク」でいられる
自分の好きなものにとことん打ち込む子は、人としてとても個性的で魅力的です。しかし、中学生や高校生の男女は、異性の視線が気になってしまい、個性的な自分を見せることが恥ずかしいと感じる場合も。そのため、自分の好きなこと、分野を突き詰めるときには、同性しかいない男女別学校の方が集中しやすいといえます。そして、10代の間に思いきり何かの「オタク」になれた経験は、大人になってからもきっと役立つはずです。
恋愛にパワーを奪われず、やりたいことに打ち込める
思春期の間の恋愛は楽しさや心の成長などよい点もありますが、のめりこみすぎてしまうこともあります。そうすると恋愛以外がおろそかになってしまいます。男女別学の学校には先生以外の異性がいません。その分、恋愛の機会が少なくなり、異性からよりよくみてもらいたい気持ちも少なくなります。恋愛にパワーがいかない分、さまざまなことにチャレンジすることができます。勉強はもちろん、スポーツや芸術、多種多様な分野に触れることで、個性も自信も身に付いていきます。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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