「ジェンダーレス水着」という言葉を聞いた事はありますか?一昔前は、スクール水着と言えば露出の多い定番の形をした水着でしたが、最近では肌の露出を極力抑えた「ジェンダーレス水着」が注目を集めつつあります。
しかし、実際には、まだその存在を知らないという人もいるでしょう。
今回は、ジェンダーレス水着について詳しく解説します。
ジェンダーレス水着の特徴やスクール水着の歴史について
そもそもジェンダーレス水着の特徴やどのくらいの人がジェンダーレス水着の存在を知っているのかが気になるところですよね。まずは、その知名度について見ていきましょう。
注目されつつあるジェンダーレス水着とは?
フットマークが発表したジェンダーレス水着は、上下が分かれたセパレーツ型の水着です。長袖の上着は可能な限り露出を抑えており、紫外線対策にも気を配っています。
また、ボトムスはハーフパンツを採用しているので、水着になった時に心配な体のラインが出にくい形状になっているのも特徴です。
これまでのスクール水着の歴史
これまでのスクール水着ですが、昭和から平成にかけては、定番の「ワンピース型」より「オールインワン型」へ移行し、令和に入ると水着としての機能以外に、付加価値への変化が見られるようになってきています。
また、学校によっては性別で同じ形という考え方ではなく、個人が水着を選択出来るシステムへと移行されつつあるのです。今回発表されたジェンダーレス水着は、その入り口となる商品とも言えそうですね。
ジェンダーレス水着の知名度はどのくらい?
ジェンダーレス水着は、通販サイト大手の「楽天市場」でも注目されています。実際に、楽天グループが6月に発表した今夏のトレンド予測には、「ジェンダーフリーキッズアイテム」が入るほどです。
また、水着を自由に選ぶ事が出来る学校に通う生徒の保護者からは、購入が相次いでいるという情報もあります。このように、通販サイトを通して、徐々に認知度が上がっているという事が分かります。
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ジェンダーレス水着が開発されるまでの過程
ところで、ジェンダーレス水着はどのように開発されてきたのでしょうか?ジェンダーレス水着は、学校でのプールの時間を子どもたちがいかに過ごしやすく感じるようにするかについて、考えた結果だったのです。
学校などからの問い合わせが増えた
ジェンダーレス水着の開発が意識されるようになったのは、学校からの問い合わせでした。
水着姿に抵抗があったり、そのせいで水泳の授業を受けたくなかったりという生徒の声が出ている点を踏まえて、性別でデザインを分けるのではなく、性差が目立ちにくい水着はないかという問い合わせが、学校側から相次ぐようになったのです。
性別にこだわる風潮が問題視されつつある日本で、昔からの習慣に疑問を持つ意見が目立ってきたのがきっかけになったと言えるでしょう。
開発までには課題が多かった
学校側からの、性別に囚われずに性差を感じない水着への問い合わせが多くなり、水泳用品を手掛ける「フットマーク」は、ジェンダーレス水着の開発に乗り出しました。しかし、実際に商品化出来るようになるまでには、思った以上に課題が多かったようです。
課題の一つとして挙がったのが、水着や水泳帽の色や形の規定でした。その中で、いかにジェンダーレスの要素を組み込んだ水着を作れるかが、フットマークとしては大きな課題となったのです。
学校によってスクール水着の規定が異なる
スクール水着の規定に関しては、全ての学校が同じというわけではなく、それぞれの学校によって決められている規則が異なるという部分も大きな壁でした。
近年において、ジェンダーレスは時代と共に認知されつつある分野ですが、一方で、時代を先取りし過ぎたデザインは広がりづらいという点もあります。
ある程度、世間の価値観に合わせつつ、性差のないデザインを模索するのも困難を極めた部分だったと言われています。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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