最近、地頭という言葉がピックアップされることもありますが、まだ聞きなれない方も多いかもしれません。地頭とは、基礎能力がしっかりとしており、応用能力が高いことを意味する言葉です。また地頭をよくすれば柔軟な考え方や理解力などが身に付くということから、子育ての方法としても注目されています。ここでは、子どもの地頭をよくする育て方についてご紹介します。
子どもの地頭をよくすればどういうメリットがある?
地頭をよくすることで、子どもは学校のみならず、社会に出て働くようになったときもさまざまなことに役立ちます。地頭をよくすればIQなどの数値化できる頭のよさ以外にも、思考力や読解力、表現力などの生きていくうえで必要な能力も身に付くといわれています。
子どもの理解力が高くなることが期待できる
地頭がよい子どもは、物事の結果だけではなく、それに至った過程も大切にします。例えば、どういうふうに考えればどのようなゴールにたどり着くのか、○○という考え方を持つことで□□という問題が解決しやすいなどと予想できるようになるのです。そのため、さまざまな物事に対する理解力も自然と高まっていきます。
人とのコミュニケーションが円滑に進む
地頭がよい子どもは、友達などとのコミュニケーションが得意だといわれています。なぜなら、彼らは相手に気持ちを伝えるにはどのように話せばよいかというポイントを、身に付けているからです。相手の立場に立って会話ができたり、伝えたいことを明確にまとめたりすることができるため、聞いている側も分かりやすく、良好な人間関係を築くことが可能になります。
例外への対応力が早くなる可能性がある
考える力があり、相手の立場を理解できる子どもは、さまざまな物事のパターンが訪れてもケース・バイ・ケースで対応することができるようになります。もし、物事の結果だけを重視した環境の中で育っていると、違う結果が出てしまった場合にうまく対処できることは難しくなるでしょう。しかし、考えることを一般的にしている地子どもは、すばやく状況に応じて動くことができるのです。
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家庭でできる子どもの地頭をよくする育て方とは
地頭をよくするには、子どもに特別な教育を受けさせる必要があると思ってしまう方もいるでしょう。しかし地頭をよくするには、家庭生活の中で親が子どもに、ある対応を行うことで可能となります。以下に、考えられる対応についてお伝えします。
子ども自身に考えさせる習慣を身に付けさせる
子どもは、何らかの物事を決めるときに時間がかかってしまうことがあります。だからこそ、しびれをきらし、親が自身の考えを子どもに押し付けることも少なくありません。しかし、これを続けていると、子どもは自分で考える必要がなくなりますので、考える力が身に付きにくくなります。そのため親は子どもが決めかねているときには、「どうしてそう思うの?」「○○と△△ではどちらがよいかな?」などという言葉かけや環境を、積極的に作ってあげましょう。
子どもの意見をむやみに否定しない
子どもは時に、親が予想もしない質問をしてくることがあります。つまり、大人の中では常識的なことでも、子どもにとっては不思議に思えることは数多くあるのです。ただ、そのときに親は「何言ってるの?そんなはずはないじゃない。」「絶対に違うよ。」などと子どもの意見を頭ごなしに否定することは避けましょう。なぜなら、子どもは子どもなりにその考えに至った理由があるからです。親は子どもの意見をまずは受け止め、一緒に考えてみるなどの姿勢が大切です。
事実はどうなのかを分析できる環境を作る
子どもに考える力がついてきたら、結果として「なぜそうなるのか?」という疑問が湧いて来ることが多いものです。そのときは、親が「こういう結果になるのはどういうことなのかな?」などと質問してあげると、子どもはその事実を分析したうえでまとめようとし始めます。分析して出た答えには、100%明確な答えがあるわけではありませんが、こうすることで子どもは物事を分析する能力も鍛えられます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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