自分の子どもの成長が一般的なのか、それとも進んでいるのか遅れているのか、親として子どもの発達の心配をするのは当然のことです。子どもの発達を知るためには、IQテストの存在があります。ここでは、IQテストの特徴や簡単に受けられるものはあるのかについてご紹介します。
幼児でIQテストを受ける意味は?
そもそも、幼児の時期にIQテストを受ける意味はあるのでしょうか?小学校や中学校あたりでIQテストを行うのであれば、学力について理解するためには意味を感じるかもしれません。しかし幼児の時にIQテスト受けるには、また別の意味があります。
IQって一体どんなもの?
IQとはその人の頭の良さを示す数値だということはなんとなく理解できますが、実際にどういうものなのかについてはあまり知られていません。もちろん知能検査なので、知能指数がどのくらいなのかを把握するものではありますが、後付けで学習したことに対しての知能ではなく、生まれつきに備わっている素質でテストの結果に変化が生じます。
IQテストの必要性は子どもを客観視して成長を確認するためです。つまり子どもについて知ることは、教育のヒントにもなるので重要だといえるでしょう。
幼児のIQテストってどんなことするの?
幼児のIQテストは、とても難しい複雑なことをするというわけではありません。子どもの年齢に合わせて内容は変化しますが、幼児の場合は主に積み木や絵のカードなどを用いた問題が出題されます。子どもでもわかりやすいような検査器具が使用されるので、検査がしやすいです。大体2歳くらいからIQテストを受けられますが、多くの人は3歳以降に受けている傾向があります。一般的に幼児のIQテストは、12歳くらいまでを対象としているものがほとんどです。
IQの平均や数値の意味とは?
幼児を含め、日本人のIQ平均値は100です。IQ90〜110程度までは一般的でこの数値を基準として出し、以下や以上で解釈していきます。しかし幼児期に関していえば、IQが高い低いで一喜一憂しない方が良いでしょう。例えIQが低かったとしても子どもが苦手な部分を把握できたと受け止め、高ければより長所を伸ばしてあげることについて考えてください。IQの高い低いが子どもの全てではないので、親として結果は冷静に受け止め、その上で子どもに何ができるかを考えてみましょう。
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幼児のIQテストは、頭の良さを知るだけではない
IQテストと聞くと、どうしても目先の賢さをはかるものだと思ってしまいがちですが、幼児IQテストの場合はそれだけではありません。本来IQテストは色々な使い方ができるので、その点を理解しておきましょう。
発達障害や得意不得意を見つけられる
知能数値を測る以外の使い道としては、発達障害を把握することができるということです。状況によっても違いますが、偏った結果が出たり、年齢の平均値からすると非常に低いなどの変化もみられます。それによって発達障害の早期発見につなげたり、今の子どもの状態を確認することが可能です。また子どもが何を得意としていて、不得意なものは何かを知る良いきっかけにもなります。
学習指導の方向性を把握することができる
幼児のIQテストはあくまでも発達の目安となるので、全ての状態がわかるわけではありません。子どもの得意分野や不得意分野を知ることによって、子どもがどのような学習をしていけばいいのか、どう自信を伸ばしていけるのかを把握するヒントになるのです。学力が高い低いで物事を考えてしまっては偏りが出てしまいますし、本来の子どもの良さを伸ばすこともできないので、IQテストを参考にして学習指導の方向性を見極めることが可能です。
幼児IQテストは何歳から可能?
幼児IQテストは、基本的に2歳から受けることができます。しかしその頃はまだまだ読み書きもままなりませんし、自分の意思を言葉にしにくいので2歳でIQテストを行っても、正確な判断ができるかは不安です。
3歳もしくは4歳くらいにIQテストを行うと、子どもの気持ちも発達しているので、非常に成果を得られやすいといえます。幼児期は非常に多くの物事を吸収していく時期なので、一度の結果がどうだったからといって永遠にそのIQで生きていくわけではないので、結果は参考程度にとどめましょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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