「父能研」という言葉をご存じでしょうか?中学受験を控えた方は、その大手塾を思わせる単語にピンとくるかもしれませんね。それは、ずばり「お父さんによる塾」です。
一見すると、子育てに熱心な良いお父さんのようにみえますが、実は子どもや母親にとっては迷惑な場合も。今回は、最近急増している父能研パパについてまとめてみました。
「父能研パパ」ってどんなお父さん?
父能研パパになりがちなお父さんは、今まで子どもに関する重大な部分を母親に任せきりだった方が少なくありません。それが、中学受験勉強の終盤、小学校5年生や6年生になって急に関わってくるので、母子のペースを乱してしまうのです。
子どもの勉強を塾任せにできないお父さん
子どもが小さいころ、習い事を何にするかなど重要なことは母親が主体になって決めることは珍しくありません。そういう場合、母親は子どもの努力の過程を見続けていますが、父親は大会やコンクールの結果しか知らないことも多いと思います。
勉強もいっしょで、母親は塾に通い始めた子どもの様子を最初からずっと見守り、塾の先生とも相談しながら「どうするか」を決めていくことが多いのです。
しかし、父親は模試の結果のみを見ます。子どもの偏差値や点数に満足できず塾に任せていてもらちがあかないと判断して、子どもの勉強を自分がみる「しかない」と思いこんでしまうのです。
偏差値至上主義を引きずりがちなお父さん
父能研パパは、高学歴な方が多いようです。自分が優秀で偏差値の高い高校や大学へ進学できたからこそ、今の生活があるという成功体験をしています。子どもを中学受験させるほどですから、現在十分な収入があるのでしょう。
子どもにも将来同じような暮らしをしてほしいという思いから、まずは偏差値の高い中高一貫校に入学させなければいけないと考えます。
そのため、子どもの成績が難関校に届かないと知ると、焦ってしまうのです。
また、高校受験からの体験しかない方も多く、15歳の自分に出来たことを11歳や12歳の子どもにやらせようとしているギャップに気づけていない場合もあります。
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父能研パパがどうして増えているのか?
父能研パパが急増している理由には、時代背景が多いに影響を与えています。昔に比べて育児をする父親が評価されるようになり、さらにはコロナの蔓延で在宅時間が増えたなど、否応なしに子どもと過ごす時間が増えているのです。
父親も子育てに参加しなければならない風潮
イクメンが当たり前のようになった現代では、父親が子育てを「手伝う」のではなく、母親と同様に育児をするのが当たり前になってきています。
しかし、それは各家庭の事情によってそのバランスはまちまちです。父親も母親もフルタイムで働いているなら半々になるでしょうし、母親が専業主婦の場合はやはり母親がそのほとんどを担うことになるでしょう。
そのような中、仕事が忙しくほとんど子育てに参加できていなかった父親でも、自分なりに子どもに関われるのではないかと考えたのが「勉強」だったのかもしれません。
コロナ禍を背景に父能研パパが急増
父能研パパの急増は、コロナ禍でのリモートワークが原因だともいわれています。今まで家にいる時間の少なかった父親が、リモートワーク中に普段の子どもの生活態度や勉強への姿勢をみて「自分が正さなければ、子どもが苦労をする」と考えてしまうためです。
しかし、当然ですが子どもや母親には、今までに築かれた自分たちのペースがあります。父親からみて無駄だと思われる時間が、実は母子にとってはリフレッシュできる貴重な時間なのかもしれませんよね。そのため、コロナ禍の中で誕生する父能研パパは母子にとってはストレスでしかない存在になってしまうのです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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