赤ちゃんを知らない子どもはどんな人間になる?
長期少子化社会やDV、ストーカー被害などの増加といった問題が多くある現代。近年、若者による殺人事件も増えています。このような不穏な流れを止めるには、どうしたらよいのでしょうか?赤ちゃんを知らない子どもとさまざまな問題は、関連性がある場合も多いと言われています。
結婚願望や子育て願望が減ることも
人は経験がないことに不安や恐怖を強く感じるものです。しかし2回、3回と経験したことに、恐怖や不安を感じ続けることは少なくなりますよね。
それと同じく赤ちゃんとふれあい、育てられている姿を見た子どもは、出産・育児にたいして初めての経験ではなくなるため、不安がへると考えられています。しかし、赤ちゃんと関わったことがない人にとっては出産・育児がまったく初めての経験となるので、そのぶん恐怖や不安が増します。そして子育て願望や結婚願望がへってしまうこともあるのです。
異性を性的な対象としてしか見られなくなる
男性は妊娠・出産をしないため、男女の関係の先にある妊娠・出産のことについて意識することがむずかしいとされています。そんな男性が赤ちゃんや子どもとふれあう経験が少ないと、女性との関係の先にある結婚・妊娠・出産をイメージしづらくなり、異性を性的な対象としてしか見ることができなくなる可能性があります。
そうすると結婚願望の低下のほか、異性にたいして暴走する気持ちをコントロールできなくなり、ストーカーやDVなど自分の気持ちを押し付けるような行為をしてしまうこともないとは言えません。
他人への思いやりの感情が薄れてしまう
近年、ストーカー被害や児童虐待、DV、若い人による殺人事件も増えていますね。ある意味ではこのような悲しい事件が起こる原因のひとつは、子どもの頃に赤ちゃんとのふれあい体験がなかったからだと言う考え方もあります。
赤ちゃんとのふれあい体験がないと、他人にも赤ちゃんの時代があったことや、他人を育てた家族がいるといった想像力がなくなり、思いやりや命を大切にする気持ちが低くなってしまいます。相手の立場や気持ちを考えられなくなってしまうと、さまざまな場面に影響が出てくることも否めません。
おわりに
赤ちゃんとふれあう経験は、結婚・子育て願望を高めたり、思いやりの心を芽生えさせたり、大きく人生を変えるきっかけにもなります。しかし、そんな赤ちゃんとふれあう機会がへっている今の子どもたち。これから、ますます少子化がすすみ、社会的な問題も増えていくかもしれません。
問題の悪化を食い止めるには、赤ちゃんとふれあう機会を今の子どもたちに増やしてあげることが求められていると言えます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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