開かれた学校づくり「コミュニティスクール」とは?

「コミュニティスクール」の課題

小学校の校舎
コミュニティスクールには大きなメリットがあります。同時に課題も残されています。

協働できる人材の確保

コミュニティスクールの課題のひとつに、人材確保があります。学校運営協議会の委員になる人は、会議のための時間を確保できる人でなければなりません。また、子どもの育ちに関する一定程度の理解と知識を備えているか、学ぼうとする意識のある人が望ましいでしょう。地域の子どもたちや住民、学校の全体の利益を考えられる広い視野を持ち、自主的に問題解決に取り組む意欲があればベストです。

ただ、このような人物はまれであり、委員候補は多くありません。国は、協議会の発足、運営のアドバイスをおこなうCSマイスターを育成し、派遣する制度を設けています。

教職員の負担軽減

コミュニティスクールの運用には、学校と協議会を結ぶコーディネーターが不可欠です。現段階では、コーディネーター役を教職員が担う現場が多く存在し、かえって教職員の負担が大きくなっているという問題があります。コーディネーター役は、教職員の通常業務の範囲外の仕事です。会議が教職員の就労時間外に開催されることも多く、参加は完全なボランティアの状態。教職員の過剰労働が社会問題となっている現状で、さらなる負担増は協議会導入の障壁となっています。

コミュニティスクールの成果は、すぐに表れるものではありません。中長期的な視野を持ち、活動を続けていくにあたり、教職員に過度な負担がかかることはマイナス要素です。学校と地域をつなぐコーディネーターを教職員以外が担当するよう、体勢を整えていく必要があります。

おわりに

学校は、地域と深い関係を持っています。国籍や文化の違いを持ったさまざまな子どもたちが生活する場所であると同時に、災害時には避難場所となり、地域の人々が集まる場所でもあります。コミュニティスクールは、学校と地域を結び、子どもを中心にしたよりよい地域社会を作る手段のひとつです。

今後は、懸念される課題をひとつひとつクリアにし、設置校が増えていくことが期待されるでしょう。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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