昔は、ママが家にずっといる事が当たり前の時代でしたが、近年は働くママが増えてきています。それに伴い、子どもが不登校になる事で仕事を辞めるか続けるかで悩まれている、共働き家庭のママも多いと聞きます。今回は子どもが不登校になった時、ママは仕事を辞めるべきか否かについて、お話していきたいと思います。
子どもが不登校に…私は仕事を辞めるべき?
子どもが不登校で悩んでいるママは、毎日の子どもの様子や、今後の子どもの成長や進路、家計の事などの面で、悩みや辛い思いをされている事でしょう。そんなママにまずお伝えしたい事は、同じような悩みを抱えているママは、あなたの他にもたくさんいるという事です。
平成30年に文部科学省が行った調査によると、全国の小学生・中学生のうち不登校児童は16万人を超えました。特に7歳~12歳である小学生の不登校人数は増加傾向にあるという結果になっています。
このデータからも分かるように、不登校児を持つという事は決して珍しい事ではありません。同じ悩みを持つ人達が知恵を出し合い、工夫していけば、きっといい解決策も見つかるはずです。
一人で負担を抱え込まず、他社の知恵や経験を参考にしながら、みんなが幸せになれる道を探しましょう。
基本的には仕事は辞めない方法を考える
不登校の子どもがいるから、仕事を辞めなければいけないのか?
小学生の不登校の子どもを持つママであれば、必ず悩まなければいけない問題です。結論からいえば、基本的には仕事は辞めないでいいような方法を考えてください。「子どものために」仕事を辞めるという事実は、時として子どもを傷つける事がありますし、家計の負担は子どもだけでなく家庭全体に及びます。例外を除いて仕事は辞めない方向で、他の解決策を考えましょう。
親が仕事を辞めると子どもは責任を感じてしまう
例えばママが不登校の子どものために仕事を辞めたとします。子どもは一体どう感じてしまうでしょうか?
「自分のせいでお母さんが仕事を辞めてしまった。自分は迷惑をかけている。」
そんな事を思うはずです。
もし、家計の足しにするために働きに出ている場合は、仕事を辞める事で家計が苦しくなるかもしれません。隠していたとしても家庭のちょっとした変化を、子どもは敏感に察知します。そうなると子どもは自分に責任を感じてしまい、精神的に辛くなるばかりです。ただでさえ学校に居場所がなく不安なのです。子どもが心配な気持ちは分かりますが、仕事を辞めるという決断がかえって子どもの負担になってしまわないか、よく考えてみましょう。
自分の時間を大切にしたい子どももいる
子どもの中には一人で自分を見つめなおしたい子もいます。そのため、親に介入されすぎる事を拒否する子もいます。しかし放置されると「自分の事なんてどうでもいいんだ」と寂しさを感じる場合もあるでしょう。このようなケースにおいて、残念ながらベストな模範解答はありません。ただ不登校だからといって、ベッタリと親の介入を望まない子もたくさんいる事を知っておいてくださいね。
親と接したくない子の多くは、
- 親が悲しそうな顔を見るのが辛い
- 親に失望されるのが怖い
- 自分をちゃんと理解してくれていない
こういった事を思っている事が多いといわれています。
もし介入するのであれば、「不登校くらい大丈夫よ!なんとかなるよ!お母さんと一緒に考えよう!」と、どっしりと構えてあげるのがいいのかもしれません。
仕事を辞めて、ずっとついていてあげる事だけが最善の方法とはいえないのです。子どもを見守り支える事は物理的な距離感だけが問題ではありません。
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子どもが不登校に…子どもを一緒に過ごす方もある
一方で、不登校中は子どもと過ごした方がいい場合もあります。そういったケースでは子どもが落ち着くまで何気ない毎日を過ごし、子どもが話したい時に話を聞いてあげて、解決策を考えていく方法をとります。一番は子どもが何を感じ、どうしたいのか察してあげる事です。
子どもの年齢が幼い場合
小学校低学年など子どもがまだ小さい場合には、親が毎日ついていてあげる必要があります。一人で留守番をさせておくと危険が伴いますし、まだまだ親に甘えたい歳という事もあるでしょう。
親と一緒に過ごす事を求めている場合
小学校低学年でなくても、子どもが親と過ごす事を自ら求めている場合には、できる限り一緒にいてあげてください。親と一緒にいたいと主張しているという事は、子どもの精いっぱいのSOSです。また心に傷や寂しさがある場合も多いものです。こういった場合もなるべく一緒の時間をつくり、子どもの話を聞いてあげるようにしましょう。
子どもが落ち着くまで仕事を休職する選択も
しばらくの間子どもと一緒に過ごす必要がある場合は、思い切って仕事を辞めるのではなく、子どもが落ち着くまでの一定期間だけ休職するという選択肢もあります。中には、「そんな事が通用するわけない」という職場もあるかもしれません。
ただ、今は何が一番大切なのか、もう一度よく振り返ってみましょう。あなたが毎日一生懸命働いているのも、元をたどれば自分の子どもや家族のためではないですか?その大切な家族のために、今一番何をすべきか考えてみてください。職場によっては事情をありのまま話せば、理解してくれるところもあるかもしれません。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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