通知表の廃止で得られたものとは
通知表を廃止してから2年が経ちました。まだ、激的に子どもたちの様子が変わったわけではないですが、小さな変化は見られたようです。
また、先生たちは通知表がなくなったことで、子どもたちに優劣をつけずにありのままの評価ができるという、考え方の変化が起こりました。
自分を他者と比べる価値観がなくなってきた
先生たちは通知表の評価のためにしてきたことをなくしていきました。驚くことに、テストに点数をつけなくなった先生も。それは、学校でのテストの目的が「何点とったか」ではなく、「苦手な問題を見つける」ことだからです。
いい点数を取るためのテストではないので、それぞれの問題の配点は重要ではありません。理解できていなかった問題をできるようにしてあげることの方が大切なのです。
また、運動会でも紅白対抗での順位をつけなくなったそうです。1位をとるのではなく、自己ベストの記録を出せるかどうかを目標にしました。そうした取り組みによって、子どもたちは集団の中の自分はどのくらいの位置にいるのかではなく、自分がどのようにがんばるのかだけを見つめることができるように変わりました。
60年以上通知表のない小学校も!
実は、通知表のない小学校は香川小学校だけではありません。長野県伊那市立伊那小学校は、60年以上通知表がありません。通知表だけでなく、なんと時間割やチャイムもない学校です。探求型の総合学習に力を入れており、動物を育てるなど、子どもたち主体でさまざまな課題に取り組んでいます。
クラスメイトは自分と比べる相手ではなく協力関係にある相手であり、課題は与えられるものではなく自分で見つけていくものといった、自立心が養われる魅力的な学校です。通知表のない学校では、先生からの評価を気にせずに、子どもたちがのびのびと学校で学ぶことができます。
おわりに
テストでも暗記をしてマークシートに解答していくのではなく、経験や知識をフル活用して自分の考えを記述していく力が必要とされる、現在の子どもたち。そのような中では、必ずしも数値化された評価は重要ではないのかもしれません。
また、通知表廃止は子どもが友だちと自分を比べたり、先生の前でいい子のふりをしたりする必要がなく、ありのままの自分を受け入れられる自己肯定感を得るきっかけになってくれそうです。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。