学校遊具の事故を防ぐためにできること
学校遊具は、子どもが遊びのなかで成長するための大切な設備です。事故を防ぎ、有効に利用するためには、危険性を「リスク」と「ハザード」に区別して管理することが重要です。子どもが危険を回避する能力を養うために、予測可能な程度の「リスク」は管理の範囲内で許容する必要があります。
一方で、事故につながる危険性と子どもが判断できない大きさの危険は「ハザード」として排除に努めなくてはなりません。「ハザード」には、「物的ハザード」と「人的ハザード」があります。
物的ハザード対策 「定期点検を要請する」
物的ハザードとは、遊具の計画・施行・点検・修繕が不十分な場合に起こりうる危険性をさします。物的ハザードを排除するためには、定期的な安全点検が不可欠です。学校、設置者である教育委員会、専門業者が連携し、安全計画に乗っ取って点検を実施することで、事故を未然に防ぐことができます。
保護者は、安全計画が立てられているかどうか、PTAを通して確認してみましょう。また、計画は適切なものか、実際に実施されているか、という点もチェックが必要です。
「先生の負担が大きい」「費用が足りない」などの理由で定期点検の実施が難しい場合があるかもしれません。その場合は、「PTA組織内に校内安全対策委員会を設置する」「行政に適切な予算措置を講じるよう要請する」などのアクションを検討してみましょう。子どもの安全を守るためには、保護者の協力も大切です。
人的ハザード対策 「身体を使う機会を増やす」
人的ハザードとは、子どもの不適切な行動や、誤った遊具の使い方による危険性のことです。「ジャングルジムを使って鬼ごっこをする」「滑り台を立って滑る」などの行動は、遊具の事故に直結します。不適切な使用をしないよう、日頃から遊具の安全な使い方を指導しなくてはなりません。「遊具の正しい使い方」と同時に、「紐・フード・マフラーなど絡まりやすい服装は避ける」などの指導も重要です。
とはいえ、子どもは往々にして、大人が想像もつかないような遊び方をします。保護者は安全指導とともに、普段から身体を使う機会を増やし、子ども自身の危機回避能力を高めていく必要があります。
小さなケガやヒヤッとする体験を通して、子どもは自分の運動能力を把握し、どこまでが安全でどこまでが危険な行為なのか、知ることができるでしょう。
おわりに
学校遊具の老朽化による事故は、意外に少ないことがわかりました。事故の原因は、遊具の使い方や子どもの遊び内容にあるケースがほとんどです。多くの学校では、定期的に遊具の点検が行われています。ぜひ一度、地域の小学校の遊具点検について調べてみてください。
遊具以外の学校設備(サッカーゴール、バスケットゴールなど)は、定期点検の対象外になっている場合があります。こちらも、適切に点検が行われているかどうか確認できると、より安心です。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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